不労所得に個人向け国債を組み入れるメリットとデメリット

日銀本店

不労所得を構築するにはリスクを分散化させる意味から、いくつかの種類の投資を組み合わせる方法が一般的です。

国や自治体、企業などが発行する有価証券である「債券」は、お金を貸すかわりに一定の利息がもらえる金融商品。

一般的に安全な資産だと思われている債券ですが、とくに「個人向け国債」は、日本政府が発行する債券で安全性には疑う余地はありません。

しかし過去には高金利が魅力だった個人向け国債も、近年の超低金利時代においては雀の涙程度の金利しかついていません。

FIRE(ファイヤ)生活における不労所得で、個人向け国債を組み込む意義はあるのでしょうか?

債券については過去のブログ「安全資産なら債券は本当?安全性と株式との違い」をご覧ください。

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個人向け国債は低金利がデメリット

2021年5月の個人向け国債の金利は以下の通りです。

  • 変動10   : 0.05%
  • 固定5  : 0.05%
  • 固定3  : 0.05%

すべての商品が年利0.05%となっており、一部のネット銀行の金利よりも低い水準です。(参考:財務省)

比較参考にあおぞら銀行の定期預金の金利を紹介します。

  • 5年(半年複利型)  : 0.15%
  • 3年(半年複利型)  : 0.15%
  • 1年(単利型)    : 0.2%

あおぞら銀行の金利はあくまでネット専用のバンク支店のものですが、0.15%~0.2%と個人向け国債の金利を大きく引き離しています。(引用:あおぞら銀行)

このように個人向け国債は一部の定期預金と比較して、金利が低いことが最大のデメリットです。

不労所得に個人向け国債を組み込むメリット

FIRE(ファイヤ)生活における不労所得では、一定の収入を「安心・安全な環境」で得ることが大切です。

個人向け国債は国が発行する債券なので、安全性や安定性には問題ありませんが、金利の面では満足できない商品だと思います。

先に紹介したとおり一部の銀行の定期預金と比較して、1/4程度の金利差があるのでわざわざ個人向け国債を購入する必要がありません。

しかし、個人向け国債には銀行の定期預金になりメリットが隠されています。

それが…「上限なしの安全資産」であることです。

金額の上限なしで安全資産を手に入れる

過去のブログで紹介しましたが、日本では金融機関の破綻にさいしてペイオフ制度が導入されており、1,000万円以下とその利息のみが預金保険制度の対象です。

つまり銀行に預けている資産で保険が適用されるのは、1,000万円まででそれ以上の資産については保護されていません。(一部の口座を除く)

ペイオフの詳しい紹介は過去のブログにありますので、「銀行預金で危ないペイオフとは?不労所得で注意したい内容」等をご覧ください。

銀行の破綻はそうそうないと思いますが、FIRE(ファイア)生活では資金の安全が生活に直系していることから、破綻リスクはなるべく少なくしておきたいものです。

そうなると資金を1,000万円以下ごとに分散させて、複数の銀行に預けるしかありません。

ただし定期預金の金利が個人向け国債よりも高い銀行は限られており、分散することで損する可能性も出てきます。

また全額保護の「決済用預金」は金利がつかず、不労所得を得ることができません。

しかし個人向け国債なら金額の上限なしで安全資産を手に入れられます。

日本政府が発行する個人向け国債には購入の上限がなく、5,000万円でも1億円でも10億円でも購入できます。

また国が保証する商品なので、安全・安定性には問題ありません。

個人向け国債は安全資産として不労所得に組み込むことが可能で、なおかつ上限がないことが最大のメリット。

J塾長が思うには、1年以上利用しない一定規模の資金がある場合は、決済用預金ではなく個人向け国債を利用する方がよいと思います。

次回は今回のブログに関連して個人向け国債のキャンペーンを利用した利回りについて紹介します。

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