PBR1倍割れ企業に注目が集まる?増配や自社株買いの動き

PBR1倍割れ

最近、「PBR1倍割れ」の企業が注目されています。

PBRって「株価純資産倍率」のことだよね。
株価が「1株当たりの純資産の何倍」になっているかを示すんだよ。

そうだね。
企業が保有する資産と株価を比較することで、株価が割高か割安かを判断する指標として使用されています。
たとえばPBRが高い企業は株価に対して保有する資産が少ないので株価は割高と判断し、PBRが低い企業の株価は割安と判断します。
(あくまで一般的な見方です。)

J塾長も株価の状態を判断する指数としてPBRを使用しており、とくに株価と1株利益を比較するPERを掛け合わせた「ミックス係数」は重要視しています。

一般的には低い方が安全で割安と考えられているPBRですが、1倍以下のPBR企業に対して東京証券取引所(東証)から厳しい注文が出ています。

 

本日の話題は最近注目されている「低PBR」問題と、高配当株投資の関係について紹介します。

東証の再編については「東証の市場再編と概要!プライムから陥落する銘柄の株価は?」を見てください。

 

東証がPBR1倍以下の企業に改善を求める

昨年スタートした東証の再編において市場は「プライム」、「スタンダード」、「グロース」に集約されました。

昔の東証1部はプライムになったんだよね。

東証が市場の再編を実施した理由は、市場区分を明確化して海外からの投資を呼び込むことも理由でした。

とくに過去の東証1部では基準が曖昧で、日本を代表するとは言えない企業も含まれていたのは事実です。

そこで東証は上場基準を厳しくして分かりやすい市場区分を作る予定です。

予定って?
もうできたんじゃないの?

市場区分の再編は実施されていますが、現在は移行期であり完全に完了していません。
またプライム市場に含まれている企業のなかにも、近い将来にはスタンダード落ちする企業も含まれており、そうのような企業に対して東証はさまざまな改善を要求しているようです。

なかでも注目されているのが「PBR1倍割れ」企業に対する改善要求です。

PBRは「1株あたりの純資産に対して株価が何倍で取引されているかを示す指標」ですから、それが1倍以下の企業は単に株価が割安ではなく、資産(資本)を有効に利用していない企業だと判断できます。

そうかぁ。
PBR1倍割れの企業はせっかく集めたお金を有効に利用していないことになるんだね。

東証から見れば「保有する資産を有効利用して業績を上げる努力をしていない企業」だと判断できるんだよ。
だからPBR1倍割れの企業はプライム市場に相応しくないと判断される可能性もあります。

東証はプライムだけでなくスタンダード市場の企業に対しても、PBR1倍割れの状態を改善するように指導しており、達成できない企業には「改善」や理由の「情報開示」を強く求めています。

東証としては各市場の価値を高めたいので、PBR問題は各企業にとって最優先に取り組む案件になっているようです。

 

株価を上げてPBRを引き上げる方法

増配

PBRを引き上げる方法としては、業績を拡大させることが第一です。

業績が拡大すると株価が上がるからPBRも高くなるよね。
でも業績って狙って上げられるものじゃないでしょう?

PBRを上げるには株価を上げる必要があります。
株価は株を買いたい人が増えれば上昇するから、業績を上げるのは最も効果的な方法ですね。
しかし、それ以外にも増配や自社株買いなどの株主還元を高めることで、株価を引き上げることができます。

つまり、低PBRの企業のなかにはPBRを引き上げるために、増配や自社株買いを実施することがあり、これらの発表により株価の上昇が見込まれます。

業績が安定していてPBRが低い銘柄を仕入れておけば、増配や自社株買いの発表で株価が一段高くなる期待があるんだね。
それで最近は「PBR1倍割れ銘柄」に注目が集まっているんだ。

 

狙い目はプライム市場のPBR1倍割れ銘柄

現在PBR1倍割れ銘柄は東証全体で約1,700銘柄もあり、プライム市場でも860銘柄もあります。

PBR1倍割れがそんなにあるの?
それじゃ東証も改善を求めるよね。

このなかで狙い目はやはり「プライム市場のPBR1倍割れ銘柄」だと考えています。

プライム市場の上場を維持するには、将来的にPBR1倍割れを解消する必要があり、そのような企業のなかには増配や自社株買いを推進する企業も出てくることが予想できます。

プライム市場に上場している多くの企業は、スタンダード市場への移行を望んでおらず、何らかの対策をおこなうことが見込まれます。

プライム市場で業績が安定していて、さらにPBR1倍割れの銘柄に対して投資するのが有効だと思います。
とくに決算で増収増益を出している企業で、配当性向を抑えている場合は、増配の可能性が高いと考えています。

例としてJ塾長の保有銘柄で見ると「クレディセゾン(8253)」、「大日本塗料(4611)」、「三菱HCキャピタル」などが、前年同期比で業績も拡大しており、PBRも1倍割れの状況です。

 

スクリーニングして探してみよう!

J塾長はSBI証券の銘柄スクリーニングを主に使用していますが、検索条件として「市場」、「PBR」、「経常利益変化率」を入れるだけで大まかな検索は可能です。

あとは自分好みの条件を入れて絞ってくださいね。

低PBR対策は株価を引き上げるだけでなく、高配当株への投資チャンスなので注目したいと思います。

 

まとめ

純資産と株価を比較するPBRが1倍割れしている企業は、「資産を事業に生かし切れていない」と判断されることから、東証が対策と改善を求めています。

該当する企業のなかには、増配や自社株買いで株価対策を行う可能性もあり、そのような銘柄が注目を集めています。

PBR1倍割れの銘柄は単に割安ではなく、増配や自社株買いで株価が高騰する可能性が見込まれます。

将来的にはPBR1倍以上を目指すと思われるので、早めに投資を考えても良いと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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