楽天銀行がプライム市場へ上場決定!ジャンク債との関係は?

楽天銀行IPO

2023年3月22日に楽天グループの子会社である「楽天銀行」が、4月21時に東京証券取引所のプライム市場へ上場すると発表しました。

楽天銀行も住信SBIネット銀行と同じく昨年上場する予定だったよね。
経済環境が悪化したことで延期になっていたんだよ。

住信SBIネット銀行は3月29日に新規公開(IPO)が決定しており、楽天銀行についても近々発表があると予想していたところでした。

親会社の楽天グループは楽天モバイルの設備投資負担から大きな赤字を出しており、資金調達のために「実質年利12.0%のジャン債」まで発行しています。

そのなかで楽天銀行の上場で得られる資金は、楽天グループにとって特別な意味を持つのではないでしょうか?

本日の話題は楽天銀行のIPOと投資判断について考えます。

 

楽天の巨額赤字については「楽天グループ株が大赤字でギャンブル化?手を出すのが怖い理由」も見てください。

 

2023年4月21日に楽天銀行がプライム市場に上場決定

楽天銀行のIPOが2023年4月21日に決定しました。

現在公開されてい申込条件を見てみましょう。(楽天証券で申込む場合)

 

  • 銘柄コード     :  5838
  • 名称        :  楽天銀行
  • 仮条件決定日    :  2023年4月5日
  • ブックビルディング :  2023年4月5日~4月11日
  • 公開価格決定日   :  2023年4月13日
  • 申込期間      :  2023年4月14日~4月18日
  • 抽選日       :  2023年4月18日
  • 上場日       :  2023年4月21日
  • 公開市場      :  東証プライム

 

仮条件が決定するのが4月5日なので現状では公開価格が未定ですが、目論見書から推測する仮条件は1株「1,630円~1,960円」です。

100株単位だから16万円~20万円程度必要だね。

楽天グループは保有する楽天銀行株の5,395万株を売却、楽天銀行は新規発行として555万株を売り出します。
公開価格を1株1,800円と仮定すると楽天グループは約970億円、楽天銀行は約100億円の資金を入手すると思われますね。
合わせて1,000億円規模の大型IPOです。

 

IPO資金は楽天グループのジャンク債対策か?

今回のIPOにより楽天グループは1,000億円規模の資金を調達できますが、その大部分は楽天モバイルが起因する赤字対策へ消える可能性があります。

楽天グループは昨年から社債を数多く発行しており、なかでも「ドル建て社債」は実質金利12.0%のジャンク債とも言われています。

楽天グループは2022年11月に5億ドル、あらに2023年1月に追加として4.5億ドルのドル建て社債を発行しているよね。

合計で9.5億のドル建て社債を発行しており、1ドル135円で計算すると約1,300億円になります。
これが年利12%だから利息だけで年間156億円必要です。

これじゃ闇金に手を出したのと変わらない印象を受けますね。

ドル建て社債は高い金利により楽天グループの経営を圧迫していることが想定されることから、楽天銀行のIPO資金もドル建て社債対策へ使用される可能性が高いと思います。

借換えみたいなイメージですかね。
ドル建て社債は2024年11月満期なので、金利だけでも約300億円必要です。
IPOはある意味経費が掛からない資金調達なので、ドル建て社債の大きい負担を軽減させるにはもってこいかもしれません。

楽天グループの社債は円建ての無担保社債であっても、金利が3.3%と高くなっていることから、これから各種社債対策で多額の資金が必要になると思われます。

社債の利息や償還で会社がつまずくことはないと思いますが、資金繰りによっては業績に悪影響をもたらしそうです。

 

楽天銀行のIPOに参加する方法

楽天銀行のIPOに参加するには楽天証券で楽天銀行のIPOを申込む場合、まずはブックブルディングに参加する必要があります。

今回の主幹事はゴールドマン・サックスと大和証券ですが、J塾長的には申込むなら楽天証券にしようと考えています。

楽天証券においてのIPOの申込手順を簡単に紹介します。

 

  1. 4月5日18時~4月11日10時50分までにブックブルディングを申込む
  2. 4月13日公開価格決定
  3. 4月14日10時~4月18日14時までに購入申込み(購入資金の入金は18日14時まで)
  4. 4月18日夕方に抽選発表
  5. 4月21日株式公開

 

楽天証券ではブックブルディングへの参加申し込みと購入申込みと2つの手続きが必要なんだね。
購入資金も4月18日の昼までに入金する必要があるよ。

申込みを行う証券会社で手続きが違うので、利用する証券会社で事前に確認してください。

 

楽天銀行の投資判断は?

楽天銀行は過去に「イーバンク銀行」として日本で2番目のネット銀行として誕生しました。

J塾長もイーバンク銀行とジャパンネット銀行の口座を作り、メインバンクとして利用していました。
現在ではイーバンクは楽天銀行、ジャパンネットはペイペイ銀行と名前が変わっているので、昔からのユーザーは少し寂しい感じを受けますね。

楽天銀行の口座数は2023年2月末で1,362万口座、預金残高は8兆8,823億円とネットバンクでは最大規模です。

口座数、預金残高も年々拡大しており、これからの業績も大いに期待できる優良企業だと思います。

投資判断は?

会社的には魅力的ですが、IPOの規模が大きいのと、親会社の楽天グループの業績が悪いことがネックですね。
楽天グループは楽天モバイルの設備投資負担で首が回らない印象を受けていますが、楽天銀行を単体で見ると投資したい優良企業だよね。
でもIPOで得た資金が楽天銀行の事業ではなく、ジャンク債対策だとしたら…

またIPOの規模が大きいことから、株価もそこまで上がらないと思いますね。

だからIPOに飛びつかなくても、上場してから様子を見て投資を判断することにします。

 

まとめ

楽天銀行のIPOは単体で見ると魅力的ですが、楽天グループで考えるとジャンク債の利払いに消える可能性があると思いました。(あくまでJ塾長の考えです。)

現在はまだ公開価格が決定していませんが、公開価格から大きく上昇するのは難しいのではないでしょうか?

もし公開価格が1,900円程度になった場合、公開日の終値で公開価格を下回る可能性も考えられますね。
なんとなく微妙なイメージしか感じません。(笑)

過去にはIPOの抽選には当たったことがないJ塾長ですが、予感として今回の楽天銀行のIPOは当たりそうな気がします。

当たったら困るので申込みは止めておきますね。(笑)

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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