今期の経常利益は75%減の見通し!商船三井はどうなる?

以前にも取り上げた超高配当、人気銘柄の「商船三井(9104)」ですが、予想通り業績が急激に悪化していることがわかりました。

ここってコロナで海運運賃が上がって、大儲けしたイメージがある会社だけど…

コロナ明けで海運運賃が下がり海運各社の業績は一律に悪化していることが予想されます。

本日のブログは決算発表を実施した、商船三井の今後について考えます。

 

商船三井の状況については「いよいよ海運株に危険信号?高配当の日本郵船、商船三井」も見て下さい。

 

今期の経常利益は75.4%の減益予想

商船三井が4月28日に2023年3月期決算を発表しました。

23年3月期の経常利益は前期比12.4%増の8,115億円だったよね。

そうだね。
海運業は運賃が入金されるのにタイムラグがあるから、2023年3月期は増収増益に着地したようだ。
しかし、2024年3月期(今期)については、経常利益が75.4%減の2,000億円の予想となっているよ。

海運業の運賃は利益に計上されるまでにタイムラグが発生することから、2023年3月期は12%程度の増益になったようです。

しかし、ここからは売上の伸びは期待できないことから厳しい状況が続く可能性があります。

 

配当が380円の減配、配当利回りも大きく下落

商船三井は高配当で人気の銘柄で、配当利回りは16%以上もありました。

配当利回りが16%もあって低PERだったから、どれだけぼろ儲けしていたんだって話。

今回の決算において今期については配当を380円の減配として、年間180円の配当予定になりました。

減配により配当利回りは5.5%程度まで下落しています。
まあ、16%の配当利回り自体が異常だったけどね。

お祭りの終了だと思うよ

 

バルチック海運指数はコロナ前の状況に

海運株の業績を見る上で欠かせないのが「バルチック海運指数」ですが、海運指数は既にコロナ前の水準に下がっています。

海運の運賃の価格を指数化したものだよね。
コロナで急激に上昇したけど、現在はコロナ前の水準になっているよ。

インフレによる燃料価格の高騰などの影響で、若干の上昇は見られけど、需要増による運賃上昇はないかな。
これからは空輸も本格化するので、海運運賃がバカ上がりすることはないと思うよ。

 

商船三井の配当はどうなる?

商船三井は配当性向を25%程度を予定しており、これからも25%を目安とした配当を実施すると思われます。

25%は特に高い配当性向ではないよね。
一般的な高配当銘柄なら30%~50%はあるよね。

商船三井の配当はコロナ前の2018年で年間15円、2019年は22円、2020年は50円でした。

コロナ需要の効果で2021年は400円、2022年は560円に増配しています。

2018年当時から見て株価は分割を考えても3倍以上に上昇していますが、配当はなんと30倍以上に増えています。

運賃の下落だけでなく燃料費や海外労働者への経費が増加しているので、売上が上がっても経費がかさむことから、純利益が増加することは難しいと考えますね。
配当性向25%と言っても利益が出なければ絵にかいた餅だから。
ちなみに海運業は浮き沈みが激しいので、年度によって赤字であることも珍しくありません。
今期は75.4%の減益予定ですけど、赤字に転落する可能性もありますから。
投資にあたっては十分注意したいポイントですね。

 

株価はどこまで下落するか?

参照:Yahoo!ファイナンス

商船三井の株価が下落するのは昨年から見えていましたが、それでも人気銘柄であることから株価は大きく崩れていませんでした。

J塾長は「よく買うなぁ~」と感心していましたが、ここからはずは2022年秋水準の2,500円を目指すと考えています。
底値は分かりませんが、まずは2,500円程度まで下がるのではないでしょうか?(あくまで予想ですよ)

現状では配当利回りが5%を超えており、長期投資としても魅力的な銘柄ですが、ベテラン投資家ではない人が手を出す状況ではないと思います。

まずは底を確認してから投資判断をおこなうべきでしょう。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。