上場廃止で株式はどうなる?実体験から株式投資の試練を紹介
先日、ワイズテーブルコーポレーションが、「上場廃止に係る猶予期間に入る」ことについてブログで説明しました。
(詳しくは「ワイズテーブル(2798)上場廃止の猶予期間入りと債務超過」をご覧ください。)
株式が公開される上場は一定の経営状況を維持しないと、たとえ上場後であっても上場が廃止されます。
ワイズテーブルは猶予期間中に基準がクリアできないと株式の公開は廃止され、株式の資産価値は失われます。
ファイナンシャルプランナーのはJ塾長は、以前会社を経営していたこともあり、さまざま金融の修羅場に遭遇しています。
本日のブログでは実際に体験した上場廃止とその損失について事実をもとに解説します。
(思い出したことで今日は少し言葉が乱暴になっているかも?😡)
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足利銀行破綻の始まりは訪問から
2003年当時のJ塾長は栃木県で小さな会社を経営しており、メインバンクは地銀の「足利銀行(足銀)」でした。
足利銀行は栃木県では最有力の銀行であり、県民にはなぜか「あしぎんさん」と「さん付け」で呼ばれており、東京から移転したJ塾長は異質な雰囲気を感じていました。
J塾長は自分の会社を1996年に創業、色々と問題はありましたが足銀とは良い関係を保っていました。(よく足銀の担当者とケンカしていましたが…)
しかし足銀の経営は2000年くらいから急速に悪化したようで、ネガティブなニュースもたびたび見かけるようになりました。
当時はバブル崩壊による不良債権問題が噴出していた時代で、足銀もこれらの問題に頭を悩ませていたようです。
そして2003年の春、起死回生として「あしぎんファイナンシャルグループ(あしぎんFG)」を設立ししたことで、一気に問題が表面化したように思います。
そして…ある日の午後
「社長、少しお話があるのですが」
とあしぎんの担当者からの電話です。
「なに?」🙄
と冷たく聞いても内容を語らずで、結局その日の夜に私の事務所に来ることになりました。
そして約束の時間に現れたのは、支店長と次長、そして担当の店長代理の3人でした。
支援がないと潰れるんです!
3人が来た理由は、私にあしぎんFGの株式を購入してほしいとの依頼でした。
経営が悪化している足銀は増資により経営体質を強化する予定でしたが、経営破綻がささやかれている状態ではいくら公募しても集まるわけがありません。
沈みかけている泥船にお金をはらって乗る人っていませんよね?😨
そこで我々取引先に出向いて、購入を依頼する手法をとったのです。
「この増資を成功させないと足銀が潰れるんです」
「なんとか助けてくれませんか」
と話す支店長に対して、情けなく、馬鹿らしい、感情を抱いたのは事実ですが、それでも起業当時に事業資金を融資してくれた付き合いもあったので、結局200万円程度の出資をすることに決めました。
その時点で足銀からの借入はなく、正直、出資する気持などなかったのですが、懇願する支店長からの500万円の出資依頼に対して「200万円ならなんとか」と話した記憶があります。
優しいJ塾長ですが、結局この優しさは無駄になります。
結局は経営破綻・国営化…そして上場廃止
足銀の増資は優しい支援企業のおかげで成功したように見えましたが、それはあくまで表面上だったことを後日知ります。
経営の悪化は加速しており、結局は2003年9月から11月まで実施された金融庁の調査により、債務超過が判明、足銀は経営破綻、あしぎんFGも会社更生法を東京地裁へ申請しました。
ここで注目ポイントなのですが、このように上場企業が経営破綻するのは、きまって金曜日の15時以降です。
これは株式市場がクローズした週末にネガティブな発表をすることで、市場の混乱を最小限にとどめるのが目的だと思います。
足銀の場合も2003年11月28日の金曜日の17時くらいに破綻のニュースが流れてきたと覚えています。😰
りそな方式か?それとも…
実は足銀の破綻は11月28日の時点で既成事実であり、私たち支援者の関心は破綻方式についてでした。
その時点で足銀の破綻には「りそな方式」と「破綻方式」があり、大方の予想では「りそな方式」が有力。
りそな方式とはりそな銀行の破綻時にとられた方式で、国が資金を注入することで銀行を助ける方式で、銀行は破綻せずにそのまま存続できます。
つまり株主は救済されます。😍
当時の栃木県知事や国会議員などもりそな方式を推進しており、だれもが足銀の破綻はりそな方式だと信じていました。
しかし、足銀は膨大な債務超過状況であり、政府としては「責任をとらせる」意味で破綻方式で国営化、さらに上場廃止により株主責任を取らせることに決定したのです。
「ヒェwwwwwwwww~」😭
その時のJ塾長の声は大きく響きました。
そりゃそうでしょう。
200万円が紙くずになる瞬間ですから😱
そしてマネーゲームが始まる
上場廃止が決まると株価は1円とか2円とかになります。
そしてマネーゲームの始まりです。
たとえば1円で購入した株を2円で売ると倍ですよね。
このような遊び的な売買を上場廃止まで繰り返すのです。
J塾長も保有分を時価で売りましたが、200万円がランチ代程度にしかなりませんでした。
国営化された足銀はいまでは「めぶきファイナンシャルグループ」となり、地銀の中核銀行として営業をおこなっています。
しかしJ塾長は破綻当時に足銀支店長が一度も説明や謝罪に来なかったことから、一切の資産を引き上げて関係を断ちました。
頼まれて買う株式にろくなものはない
銀行の破綻は銀行だけの問題ではなく、支援者となる企業もダメージは少なくありません。
破綻時に政府は「株主責任を問う」と言いましたが、頼まれて支援した我々と投資目的の株主とは状況が違うように感じたのも事実です。
またFIRE(ファイヤ)生活の不労所得として保有していた企業が破綻し、株主責任と簡単に言い放たれたらたまったものではありません。
しかしこれも勉強…人に頼まれて株式を買う行為こそが馬鹿でした。😣
今回のブログのメインテーマは、「FIRE(ファイヤ)を目指す人に覚えてもらいたい言葉…」
「頼まれたり、勧められたりした株式にろくなものはない」
そして
「頭を下げられて購入した株式は…とくにクズ株」
です。
足銀の破綻問題以降、これが株式に対するJ塾長の株式スタンスになりました。😘
書いていたらだんだんと興奮してきた😡ようなのでここまでにしますが、これからもブログで色々と経験した金融トラブルを紹介しますね。