普通債券と劣後債の違いは利回りの高さと破綻時の弁済順位

木製ブロックでランキング

先日は債券のなかでも高利回りが魅力の仕組債を紹介しました。

仕組債はデリバティブ商品を組み込んだ複雑な債券ですが、条件が合うと5%~15%もの運用が可能です。

しかし、ノックイン判定に引っかかると、最終的に元本割れの危険性もあることから、投資初心者にはおすすめできない債券です。

仕組債については「高利回りの仕組債は債券とデリバティブを合わせたリスク商品」をご覧ください。

本日は仕組債と同様、普通債券よりも高利回りの「劣後債」を紹介します。

[blogcard url="https://jj-money.com/post-922/"]

劣後債は弁済順位が低い債券

企業が発行する債券は、事業資金を得るための借金であり、企業は償還日に金銭を返済する法的な義務を負います。

しかし、何らかの事情で企業が倒産(破綻)した場合、借金である債券を償還できず、他の債務同様に精算による弁済を始めます。

劣後債券」とは「劣後特約付社債」のことで、一般的な「普通社債」と比べ弁済順位が低くなります。

企業破綻時の弁済順位

企業が経営破綻し倒産した場合、その時点で保有する資産(残余財産)で各種借入れ債務を弁済しなくてはなりません。

たとえば普通株式と優先株式、社債、劣後債を発行している企業が破綻した場合の弁済順位は以下のとおりです。

  1. 普通社債
  2. 劣後債
  3. 優先株式
  4. 普通株式

劣後債は株式よりも弁済順位は高いですが、普通社債よりも低くなります。

弁済順位が低くなると企業が破綻した場合の弁済額も少なくなることが多く、それだけリスクのある債券だと考えてよいでしょう。

しかし株式よりは弁済順位が高いことから、破綻時の弁済にかんしては株式投資の方が高リスクです。

劣後債の種類

劣後債には「期限付き劣後債」と償還期限がない「永久劣後債」があります。

償還期限のある劣後債は他の債券と同じく、償還日まで企業が存続していれば額面による償還を受けられます。

永久劣後債は償還期限なないので、債券を売却するまで保有することになり、その間に企業が破綻すると元本割れのリスクが生まれます。

また償還期限がないので元本を換金するには、市場で売却するしかなく、そのときの状況によっても元本割れが発生します。

劣後債のメリット

パソコンを見ている女性

劣後債のメリットはなんといっても「利回りが他の債券と比べて高い」ことです。

また利回りは永久劣後債の方が、期限付き劣後債よりも高く設定されており、これはリスク要因による違いです。

劣後債は発行体により魅力的な投資

日本経済新聞の記事を見ると劣後債の発行が近年増えているそうです。

(参考:日本経済新聞社:劣後債は買いか ソフトバンクG・楽天…発行相次ぐ)

社債でお馴染みのソフトバンク以外にもオリックス、楽天グループ、三菱UFJグループ、商船三井などが発行しており、それぞれ人気を博しています。

劣後債は発行元の企業が破綻しないかぎり普通社債と変わらないことから、安定した大企業の劣後債はリスクも少なく高い利回りで投資できることから、機関投資家や投資のベテランに人気です😃

ただし償還期限が定めていても、発行体による期限前償還が可能なので、長期の運用ができない可能性があります。

そこを理解して検討してください。

債券/ETF