【楽天銀行】年利8%の外貨預金!こんな外貨預金には注意せよ

前回は現在人気になっている「外貨預金」について紹介しましたが、米国の利上げや円安を理由に外貨預金の残高が大幅に増加しています。
おすすめは「住信SBIネット銀行」の外貨定期預金だったよね。
たしか1年もので年利5.0%(税引き3.98%)だったよ。
そうだね。
でも同時に外貨預金には為替リスクがあるから、現在の円安状況では慎重に検討しなくてはならないことも説明しています。
特に今からの外貨預金は特に注意して下さいね。
外貨預金については下のブログを見て下さいね。
銀行が提供する外貨預金ですが、なかにはお得に見えて「投資初心者が騙されるような商品」もあります。
本日のブログでは投資初心者が騙されてしまわないように、外貨預金で注意するべきポイントを紹介します。
楽天銀行の外貨預金は8.0%の高金利だが…
J塾長も利用している「楽天銀行」のホームページでは、「米ドル建て外貨預金の金利8.0%」と記載されています。
えー8%は凄すぎる金利だよ。
これはリスクを取っても利用した方が良いんじゃない?
いやいや、一見して8%と心がウキウキしてしまう金利だけど、冷静に見ればそこには騙されてしまうトリックが隠れているよ。
さっそくこの外貨預金の条件を見てみよう。
楽天銀行外貨預金(特別金利)
- 通貨 : 米ドル
- 金利 : 年8.00%
- 期間 : 7日
- 条件 : 円からの預け入れ時のみの特別金利
むむっ、この外貨定期預金は7日満期なの?
いわゆる1週間定期預金じゃない…それなら年利が8%でもそんなに利息が付かないね。
でも満期時に自動継続したら高金利のままだから、やっぱりお得な外貨預金には間違いないよね?
いや、この外貨預金はあくまで「円からの預け入れ」を条件にしているから、継続では特別金利が適用されませんね。
継続はドルからドルなので、円からの預け入れにはなりません。
ここは勘違いしやすく結果として騙されるポイントなので注意してくださいね。
自動継続では特別金利が適用されない
楽天銀行の外貨預金の説明には「満期日以降の利息は、満期取扱が「元利自動継続」および「元金自動継続」の場合、満期日現在の外貨定期預金の利率が適用されます。」と記載されています。
つまり外貨預金で自動継続をした場合、利率は特別金利ではなく通常の外貨定期預金の金利が適用されるんだね。
今ならどの程度の金利になるの?
特別金利で8%だから…せめて2%~3%は欲しいよね。
あま~い、甘いよべっちゃん…
7日間の外貨定期預金の金利は8%ですが、自動継続された8日以降の金利は「0.02%」です。
1/400に下がってしまうんだよ。
8%で7日間運用しても利息的には雀の涙にもならないから、実質的には「0.02%の外貨預金に預けてしまった」と思うしかないね。
これにハマったらヤバイよ…本当。
楽天銀行の外貨預金(7日間外貨定期預金)の自動継続に預けると、見かけは8.0%の高金利ですが8日目以降は0.02%とあおぞら銀行の普通預金の1/10の金利になります。
また楽天銀行の外貨預金に限らず、外貨預金では為替手数料も必要なので、利息はもっと少なくなることを覚えて下さい。
外貨預金には為替手数料が必要
これはどこの銀行でも同じですが、米ドル建ての外貨預金を利用するには「円をドルに両替する」必要があります。
円をドルに換えてから外貨預金に預けるんだよね。
そして両替時に為替手数料が必要なんだ。
楽天銀行の為替手数料は「1米ドルあたり25銭」だから、都市銀行と比べると割安になっているよ。
それでも1ドルに交換するのに25銭の手数料がかかるから、その負担は大きいね。
例えば1ドル147円と仮定して、5,000ドルの外貨預金を始まる場合、735,000円の他に為替手数料として1,250円が必要になります。
1,250円 = 5,000ドル × 25銭
米ドルに両替するだけで1,250円のコストが必要です。
また為替手数料は円からドルに両替する時だけでなく、ドルを円に戻す際にも必要です。
それなら実質、1ドルあたり50銭の手数料がかかるの?
そうだよ。
だから5,000ドルなら往復で2,500円以上の為替手数料が取られることを理解してくださいね。
8%の外貨預金は実質元本割れ
それでは実際に楽天銀行が提供する「7日間外貨預金(年利8.0%)」に、5,000ドルを預けた場合のシミュレーションを解りやすくやってみましょう。
- 楽天銀行外貨定期預金
- 期間 : 7日
- 金利 : 8.00%
- 預入金額 : 5,000ドル
- 為替 : 1ドル147円(満期時も同じとする)
- 円口座から米ドルに両替の後、自動継続えをせずに円口座に戻す
まずは預入時に必要な資金を計算します。
- 735,000円 = 5,000ドル × 147円
- 1,250円 = 5000ドル × 25銭
5,000ドルに両替するには「736,250円」の円が必要でした。
次に外貨定期預金(年利8%7日間)で運用した場合の利息を計算し、満期時に受け取れる金額を算出します。
- 7.67ドル = 5,000ドル × 8% ÷ 365 × 7日間
- 5,007.67ドル = 5,000ドル+7.67ドル
7日後の満期時に外貨普通口座に入金されるのは「5,007.67ドル」です。
最後に外貨普通口座に戻った米ドルを円に両替して円口座に入金します。(1ドル147円と仮定)
為替手数料は1ドル25銭とします。
- 736,127円 = 5,007.67ドル × 147円
- 1,251円 = 5,007.67ドル × 25銭
- 734,876円 = 736,127円 – 1,251円
ドルを円に両替して円口座にに戻すと金額は「734,876円」になります。
えっ、預けるのに736,250円、8%で7日間運用して戻ったのが734,876円…って。
1,374円も損してるじゃない?
いやいや、元本割れだよ。
そうだよね。
為替手数料を入れると7日間程度の運用なら、8%の金利がついても利益どころか損失になってしまうよ。
また8%の金利は自動継続されると0.02%と大幅にダウンするから、為替手数料を取り返すのも難しいんだよね。
楽天銀行は外貨の出金&送金ができない
楽天銀行の外貨預金は外貨のまま出金できないことから、出金するには必ず円に両替する必要があります。
じゃ、外貨のまま他の銀行へ送金すれば良いんじゃない?
楽天銀行の外貨預金は外貨のまま、他行へ送金することもできないよ。
だから必ず楽天銀行内で円に両替する必要があるんだよ。
もちろん1ドルあたり25銭の為替手数料も必要になる。
たとえば住信SBIネット銀行では、外貨を他行に送金することができます。(国内銀行、本人名義口座のみ)
外貨のまま送金できることから、為替の条件が悪い状況でも円に戻す必要がありません。
住信SBIネット銀行は外貨で引き出しできないの?
現在、外貨で引き出すことはできないけど、住信SBIネット銀行のデビッド付きのキャッシュカードを利用すれば、海外ATMで現地通貨に引き出すことは可能だよ。
だから、旅行で現地通貨が必要な場合もは便利だよね。
このような銀行の外貨預金には手を出さない

楽天銀行の外貨預金が特段ヤバい訳ではありませんが、内容をしっかりと確認しないで金利だけに気が取られると、後から損失を出す可能性があります。
楽天銀行でも外貨預金の説明をしっかり読めば、商品の特徴やリスクが書かれており、勘違いするのはしっかりと読まないことが原因です。
外貨預金は為替変動がリスクと言われていますが、ドル両替時、円両替時の合計2回、為替手数料が必要であることも理解しましょう。
なので為替手数料が高額な銀行にも注意したいですね。
また外貨での引き出しができなかったり、外貨送金ができないかったりする場合は、為替の変動時に対応が取れなくなる場合もあります。
そのような銀行の外貨預金には手を出さない方が無難だと思います。
まとめ
楽天銀行の外貨預金は8%の高金利ですが、預入期間は7日間で満期後は0.02%まで金利が低下します。
為替手数料がかかるので、7日間の運用のみでは運用損失になります。
また楽天銀行では外貨で引き出すことも、外貨送金することもできません。
必ず円に戻す必要があるので、往復の為替手数料が必要です。
外貨預金は見かけは高金利に見えますが、特別金利として「円からの預け入れ初回のみ金利が高い」ことが多く、満期が短い商品ほど損失が出やすくなります。
住信SBIネット銀行やソニー銀行の外貨定期預金は、預入期間が半年~1年の商品があり、金利も高いので、外貨預金を利用するなら最低でも半年以上の運用を考えて下さい。
しかし、現在の円安がこのまま続くはわからないので、ここからの外貨預金は十分検討して判断しましょう。
外貨預金の現状については下の記事も見て下さい。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。