【勘違いで大損】名前の思い込みで株価上昇もすぐに急落へ!

名前で騙された

少し前の話ですが、J塾長が保有していた「兼松エレクトロニクス(8096)」が、親会社の「兼松(8020)」にTOBされ上場廃止になる話題を紹介しました。

父ちゃんも100株だけ持っていて、1株6,190円で売却した話だよね。
大昔に1,750円で買っていたから3.5倍になったんだ。

兼松が仕掛けるTOBは兼松エレクトロニクスだけでなく、同じく子会社の「兼松サステック(7961)」に対しても実施しています。
つまり、この2つの子会社を完全子会社化するのがTOBの目的です。

しかし、上場株のなかには、これら以外にも「兼松銘柄」があるのをご存じでしょうか?

本日の話題は「兼松であって兼松ではない、兼松エンジニアリング(6402)」が勘違いで買われた話を紹介します。

株価ってつくづく人の思惑で作られることが分かると思います。(笑)

 

兼松エレクトロニクスのTOBについては「TOBで株価上昇?兼松エレクトロニクスが公開買付で上場廃止」を見てください。

 

兼松エレクトロニクスに釣られて株価上昇

2023年1月27日金曜日の夕方に商社の兼松から、子会社の兼松エレクトロニクスと兼松サステックのTOBが発表されました。

兼松は子会社2社を完全子会社し上場を廃止させることを決定、最終的にはスクイーズアウトによる強制買取も念頭に置いたTOBです。

つまり、売らないと駄目なヤツ!

このTOBでは一般的なTOBよりもプレミアムが高く設定されており、1月27日の終値よりも30%程度高いTOB価格が提示されています。

このことから、週明けの1月30日は両社ともにストップ高で、1月31日にはTOB価格水準まで上昇しました。

このようにTOBが発表されると数日でTOB価格近辺まで上昇することが多く、兼松エレクトロニクスや兼松サステックも同様でした。

兼松がTOBしたのは子会社の2社ですが、なぜか関係のない兼松エンジニアリングも1月30日に一時大幅な上昇を見せています。

これは「兼松と関係のない兼松エンジニアリング」に、勘違いした投資家が買いを集めたのが原因でした。

 

なぜ兼松エンジニアリング株が上昇したか?

なんで兼松エンジニアリングが上昇したの?

なぜって…それは兼松と名称が同じだからだよ。
名前が同じだから「兼松エンジニアリングもTOBされる」と、勘違いした投資家が買いを入れたことが原因だね。(笑)
実際には兼松と兼松エンジニアリングは別企業で、親子関係は全くありません。

しかし投資家の中には、兼松エンジニアリングと兼松の関係を間違えて、「安いっ、チャンス」とばかりに飛びついたのですね。

このような誤った「思惑買い」で株価が上昇することは珍しくなく、名前や銘柄コードを間違えて投資すると大きな損失になることもあります。

 

1月30日の兼松エンジニアリング値動きをチェック

1月27日の取引終了後に発表されたTOBですが、週明けの1月30日は兼松エレクトロニクスと兼松サステックはストップ高でした。

その動きに釣られたように兼松エンジニアリングも上昇し、一時1,223円の高値を付けています。

(1月27日の終値1,170円、1月30日の始値1,195円)

53円高だから4.5%の上昇だね。

しかし、1,223円の高値は一瞬で、その後は下落し終値は1,170円と27日と同じ株価で終了しています。

1月30日の始値は窓をあけて1,195円スタートだったのに、結局終値は元に戻ったんんだ。
途中で「兼松違い」に気が付いたみたい。(笑)

1月30日の兼松エンジニアリングの値動きは、まずTOBされると勘違いした買い方が優勢で株価が上昇し、間違いに気が付いた時点で売りに転じたことがよくわかります。

勘違いで1,223円で購入した投資家もいるので、投資する場合は名前の間違いには注意したいですね。

出来高が少ないと売却できないことも

注意

兼松エンジニアリングは業績面では苦戦していますが、PERやPBRから見ても割高ではなく、高配当な小型銘柄です。

しかし、ネックは出来高が小さいことで、人気銘柄とは言えないのが現状です。

兼松エンジニアリングの出来高は、1日あたり100株~500株程度なので、流動性は低い銘柄だと言えます。
たとえば兼松がTOBを発表した1月27日の出来高は、なんとたったの100株しかありません。

しかし、週明けの1月30日の出来高は3,700株もありますから、27日から37倍も増加しています。

それだけ勘違いした人がいたんだ。
こわー

出来高が低い銘柄は間違いに気が付いても、売却できなくオロオロしている間に株価が下落します。

やっと売れたと思ったら大きな損失になっていた…
なんて話は少なくありません。

名称の間違いで出来高の小さい株を購入した場合、思いがけない損失になる可能性もあることを覚えておきましょう。

 

まとめ

兼松エレクトロニクスと兼松サステックのTOBに釣られて、兼松エンジニアリングの株価が一時上昇しました。

しかし、上昇は一瞬で結果的には元の水準へ戻っています。

実はこのうような「勘違い思惑買い」を狙った投資法もあり、専門的に実践している投資家も存在します。

彼らは好材料が入ったら勘違いしそうな別銘柄を買い、直ぐに売り抜ける手法で利益を出しています。

しかし、この動きはベテラン投資家でないと、上手くできない領域なので投資初心者は手を出さないようにしましょう。

投資をするなら名前だけでなく銘柄コードなども確認することが大切です。

勝手な想像で投資すると、大きな損失になるかもしれません。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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