個人向け国債の買い方はキャンペーン込みで利回りを計算
先日のブログで個人向け国債の金利は2021年5月で0.05%と紹介しました。
(参照「不労所得に個人向け国債を組み入れるメリットとデメリット」)
一部の銀行が提供する定期預金では0.15%~0.2%もの金利がついており、個人向け国債を購入するメリットはあくまで「安全資産を上限なしで購入できること」です。
しかし、個人向け国債の利回りを上げる方法があれば、不労所得としても魅力も格段に上がります。
本日は個人向け国債の利回りを上げる「キャンペーン」について紹介します。
個人向け国債には金融機関のキャンペーンがある
個人向け国債を購入する方法として一般的なのは、証券会社や銀行を利用することです。
近年ではオンラインで個人向け国債が購入できて、店舗へ赴く必要もなくなっています。
そして注目なのが各金融機関ごとに開催されている「個人向け国債キャンペーン」。
このキャンペーンは個人向け国債の購入ごとに、一定の金額を「キャッシュバック」するもので、個人向け国債の商品によりキャッシュバック内容も変わります。
またキャッシュバックの対象は金融機関ごとに定める購入額以上で、それ未満の購入ではキャンペーンは適用されないことが多いようです。
個人向け国債キャンペーンの内容
それでは個人向け国債キャンペーンの内容を各社で見てみましょう。
今回はキャッシュバック金額の多い「変動10年債」で比較します。
野村証券(2021年5月~6月30日 引用:野村證券 個人向け国債キャンペーン)
- 100万円~200万円未満 : 1,000円
- 500万円~600万円未満 : 7,000円
- 1,000万円 : 14,000円
- 移行100万円ごとに : 1,400円加算
大和証券(2021年5月~5月31日 引用:大和證券 個人向け国債キャンペーン)
- 100万円~200万円未満 : 1,000円
- 500万円~600万円未満 : 7,000円
- 1,000万円 : 14,000円
- 移行100万円ごとに : 1,400円加算
SBI証券(2021年5月~5月28日 引用:SBI證券 個人向け国債キャンペーン)
- 100万円~200万円未満 : 1,000円
- 500万円~600万円未満 : 5,000円
- 1,000万円 : 10,000円
- 移行100万円ごとに : 1,000円加算
証券会社を3社紹介しましたが、実際には100万円単位で金額が定められており、キャッシュバック金額も細かく規定されています。
また野村証券や大和証券は固定3年債はキャッシュバック対象外ですが、SBI証券は対象に含まれています。
キャンペーンは不定期開催で開催していない期間もあり、さらにキャッシュバック金額にもばらつきがあります。
たとえば野村證券では2年前までは1,000万円の購入で40,000円がキャッシュバックされていましたが、現在は14,000円と半額以下です。
これには
「あのころが懐かしい…」😒
と思うJ塾長でした。
キャッシュバックは金融機関により差がありますが、野村證券、大和証券は、ほぼ同じ内容で開催されているようです。
個人向け国債の購入を検討する場合は、各社のキャンペーンの内容を確認してから検討してください。
個人向け国債キャンペーンで利回りをアップさせる方法
個人向け国債はどの商品も1年たてば解約が可能です。
つまり1年定期と同じ感覚で利用することで、キャッシュバックにより利回りをアップさせることができます。
たとえば野村證券で1,000万円の個人向け国債を購入する場合で考えてみましょう。
- 野村証券で個人向け国債を1,000万円購入
- 14,000円キャッシュバックを受け取る
- 1年後に解約
個人向け国債を満期前に解約する場合には、直近2回分の金利相当分の手数料を差し引かれますので、個人向け国債で受け取れる利息はないものとして考えます。
そうなるとキャッシュバックで受け取った金額がそのまま利回りになり、野村證券の場合では0.14%の利息を得たのと同じ状況です。
キャッシュバックによる利回りはあくまで1年限りなので、それ以上保有するとどんどんと利回りが低下するので、1年で解約することを忘れないようにしましょう。
このように個人向け国債キャンペーンの売買を1年ごとに繰り返すことで、長期的な高利回りの国債運用が可能です。
ただし証券会社の規定で連続した購入ができない場合があるので注意してください。
対策としては2社の金融機関で1年ごとに交互に購入することで対応できます。
また個人向け国債の購入はオンラインでも、売却はカスタマセンターよる手続きであることが多いのですが、気にせずにどんどん電話して解約してもらいましょう。(彼らは慣れていますから…😁)
キャッシュバックには税金がかからないマジック
野村証券を例に個人向け国債キャンペーンを利用した利回りアップ方法を説明しましたが、実はこのキャッシュバックにはもっと深いメリットがあります。
通常、利息や配当には税金が必要で、2割程度が差し引かれて振り込まれます。
しかしキャッシュバックはあくまでプレゼントなので、税金がかからずそのままの金額を受け取れます。
つまり税金のかからない0.14%のキャッシュバックの価値を通常の定期預金に表すと、なんと利率は「0.175%」。
個人向け国債のキャッシュバックは0.175%の1年定期と同じ効果があります。(野村証券で1,000万円以上の個人向け国債を購入したケース)
また個人向け国債は購入に上限がないので、定期預金のようにペイオフを気にすることなく、多額の資金を預けることが可能です。
個人向け国債のキャンペーンは、国から金融機関に配布される協力資金が原資となっていると言われていますが、状況によっては40,000円(1,000万円購入)程度にもなりますので、ときどきチェックすることも忘れないでください。