株式投資⑧高配当株の見つけ方「自己資本とROE」とは?

出資

FIRE(ファイヤ)における不労所得を構築するには、高配当な株式を見つけることが重要ですが、単に投資対象を高配当だけで判断することは危険です。

なかには経営悪化や収益の減少により株価が下落して、一時的に配当利回りがよくなっている企業も少なくないことから、将来的な株価暴落、無配当、上場停止などのリスクが出てきます。

このブログの対象である投資初心者の人は、配当利回りだけで判断することなく、さまざまな株価指標を使用して的確に高配当株をスクリーニングしてください。

過去には高配当株を探す指標として「PER」や「PBR」を紹介しましたが、本日は自己資本の収益性を確認する「ROE(自己資本利益率)」を投資初心者向けに紹介します。

PERについては「株式投資④PER(株価収益率)による高配当株の見つけ方」、PBRについては「株式投資⑤PBR(株価純資産倍率)の目安と高配当株の関係」をご覧ください。

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ROE(自己資本利益率)を理解するには自己資本を理解する

自己資本とは貸借対照表のなかに記載されている「純資産」のことで、かんたんに言うと「返済する必要のないお金」だと思ってください。

貸借対照表は決算時などに作成される財務諸表の1つで、別名「バランスシート」と呼ばれ、企業の財務状態を確認できます。

貸借対照表は左側には「資産」、右側の欄に「負債」と「純資産」が記載されており、左右の合計額は同じになります。(バランスがとれている)

つまり会社の資産は企業が保有する純資産と負債の合計額であり、資産には返済が必要な負債も含みます。

資産 = 純資産 + 負債

また純資産は返済の必要のない資産であることから「自己資本」と呼び、負債は返済が必要なので「他人資本」と呼びます。

「ややこしや~」😫

投資初心者の人にとってはややこし話になっていますが、単純に「返済義務のない資産が自己資本」だと思ってください。

自己資本の内訳

自己資本の内訳は大きくわけて2つです。

  • 株主資本
  • 利益剰余金

株主資本とは会社を設立させるさいに、株主が出資した資本金で、設立後に増資で得た資本金も株主資本に含まれます。

また利益剰余金は会社の利益の蓄積で、経費等を差し引いた純利益が蓄積されたお金です。

利益剰余金は「企業の出資者である株主のお金」との考えもあるので、利益剰余金もふくめて株主資本と呼ぶこともあります。

ROEは自己資本が有効に活用されているかを示す

ROE(自己資本利益率)は自己資本に対して、企業がどれくらいの利益を出しているかを示す指標です。

ROEの計算は当期純利益を自己資本で割ることで算出します。

ROE(自己資本利益率) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROEの見方と目安

ROE(自己資本利益率)は、企業が「自己資本を効率的に活用しているか?」を示す指標です。

ROEの数値が高い企業は株主から見て「株主が投資した資金(自己資本)を有効に活用している会社」だと判断でき、収益性の高い優良企業であることがわかります。

投資家の立場としては自分が投資した資金が有効に活用されれば、配当金などのリターンも期待できることから投資も増え株価が上昇する理由にもなります。

一般的にROEの目安は「10%~20%程度」が優良企業だと考えられていますが、業種により違いがあるので他社と比較して判断することが大切です。

ROEはスクリーニングで確認する

ROEの確認には証券会社のスクリーニング機能などが提供する指標のランキング表示などを利用してください。

株価の指標にはさまざまな種類があるので、1つだけに着目しないで複数の項目でスクリーニングすることが大切です。

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