【配当12%超え】三井商船はFIREのおすすめ銘柄か?

商船三井

ネット証券や株価サイトには、さまざまな条件でスクリーニングする機能がありますが、配当利回りの高さでスクリーニングすると年間10%を超える高配当銘柄を見つけることもできます。

えっそんなに高配当の株式銘柄なんてあるの?
きっと経営が傾いて、株価が暴落した問題のある会社じゃないの?

一般的に配当が10%近い銘柄は業績に何かの問題がありますが、なかには好業績による特別増配なども含まれます。
このような会社は業績が当初予想よりも大幅に増加してことから、株主に対して利益を還元しています。

本日のブログは業績の急回復で大幅な増配を実施した商船三井(9104)を紹介します。

 

高配当株の話題は別ブログ「【三井物産、三菱商事、伊藤忠商事】FIREと高配当の商社株」も見て下さい。

 

 

商船三井はFIRE銘柄として期待大!

商船三井は2021年10月29日に「2022年3月期の業績予想の修正および、年間配当予想の修正」を公表しました。

今回の配当予想の修正は業績が大幅に回復したことによる株主還元です。
前回の予想では中間配当が300円、期末配当が250円で年間配当は550円でした。
それを中間配当はそのままで、期末配当を250円アップの500円、年間で800円もの大振る舞いとしたのです。

商船三井の株価は6480円(11/25)で、配当利回りは12.35%まで上昇しています。

すごい配当だよね。
これがずっと続くの?

今回の配当はあくまで業績がアップしたことによる記念増配との報道もありますが、実際はそうではないとJ塾長と思っています。

日本経済新聞(2021/11/20)の報道をみると、商船三井の橋本社長は株主還元を充実させる方針を上げています。

このことから、FIRE(ファイア)銘柄において商船三井は期待できる会社であり、タイミングがあればぜひ投資を考えてみたいと思います。

 

商船三井の配当性向と増配の理由

商船三井のIRをみると株主に対する配当性向は20%と記載されています。

配当性向って純利益のなかの何%を配当に回すか?だよね。

今回の発表で通年の純利益業績予想が4,800億円に上方修正されました。
4,800億円の20%は960億円で、これが配当の原資になりますよね。
そして商船三井の発行済み株式数は約1億2062万枚なので、1株当たりの配当は割り算で出てきます。

960億円÷1億2062万枚=795.88円

 

今回の配当の上方修正は記念配当との見方も多いのですが、ホームページで配当性向20%を上げているので、とくに記念として配当性向を上げた事実はなさそうです。

つまりたんに業績がアップしたから配当が増えただけなのが、真実のようです

 

社長が300億円の安定配当を明言

日本経済新聞の報道をみると商船三井の橋本社長は、「業績の変動があっても総額300億円規模の安定配当を目指す」ことを明言しています。

これは今までの配当性向20%にとらわれず、最低300億円と20%の多い方で還元するとの意味だと感じました。

今期は4,800億円もの純利益を予想していますが、海運業の業績は毎年変動が大きく50億円程度の年や赤字の年もあります。
2016年には1,700億円もの赤字を出しており、それだけに海運業の難しかしさがわかりますね。

それでも社長は最低でも300億円の株主還元を行うんだ。

社内留保を活用して業績が悪い年には、それを崩して配当を実施する感じです。
この考えの可否は一旦おいて、それでも株主に対する対応は大きく評価できます。

もともと商船三井は長期保有の安定株主を望んでいたので、その方策として実施するのかもしれませんね。

最低300億円規模の配当を実施した場合の配当利回りを計算してみましょう。

 

300億円÷ 1億2062万枚=248.71円

 

今の株価を6,480円なので配当利回りが3.82%です。
配当利回りが4%近いのでFIRE銘柄としては合格ですね。

さらに300億円は業績の悪い年も含めた最低ラインとの認識なので、こてからの配当方針の最低が3.82%になります。

もちろん今期のように業績がよい年は、配当性向20%に当てはめた高配当が期待できるのではないでしょうか?

 

商船三井のこれからの業績

Baltic Dry Index

商船三井だけでなく日本郵船などの海運株全般が下落傾向にあります。

これはコロナ需要の限界がきているとの説もありますが、実際にはどうなのでしょうか?

海運株を占ううえで昔から注目されていたのが「バルチック海運指数」です。
Baltic Dry Index(BDIY)が正式名称で、検索すると簡単に見つけることが可能です。

Baltic Dry Indexは世界の外交不定期船の運賃の指数で、簡単な使い方としては上がれば海運業は好調、下がれば不調との見方をします。

へ~面白い指数だね。

Baltic Dry Indexは10月の頭をピークに下落しており、その動きは商船三井のチャートと似通っています。

つまりBaltic Dry Indexが上昇を始めることは、世界の海運業の業績が好調であることを示しており、現状の海運業は不調であることが分かりますね。

商船三井単体については来年3月にかけて好業績が期待できますが、それ以降は評価できません。

Baltic Dry Indexが上向きに変わった時点で投資を判断しても良いと思います。

チャート的には一時的に5,000円のラインに下落してから、上昇を再開する可能性も考えられます。
慌てない方がよいかもしれませんね。

株価が5,000円に下がった時点で300億円の還元が実行されれば、配当利回りは4.96%です。
うーん、ここまで下がったら投資したいと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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