詐欺確定か?HIS子会社による不正受給の相手は元社長だった
クリスマスイブの2021年12月24日、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS:9603)が、子会社によるGoToトラベルの不正受給に関する調査結果を公表しました。
あぁ あれね、
実際には宿泊していないのに、宿泊した嘘をついて給付金を申請した事件。
給付金は税金だから国民に対する泥棒と同じだよ。
この事態を受けて親会社であるHISも決算発表を延期して調査委員会を立ち上げました。
刑事事件にも発展する可能性がある内容だけに、上場維持や株価の影響も少なくないと思います。
本日のブログはHIS子会社によるGoToトラベル不正受給の調査結果と株価の影響を考えます。
HIS子会社の不正受給については過去ブログ「悪質!HIS子会社の不正受給で上場廃止や倒産の可能性は?」を見て下さい。
HISの株価は上昇へ…しかし…
HISの調査委員会の発表により、24日の株式市場は若干の安心感が漂い株価は1,945円と52円(2.75%)の上昇を見せています。
問題点が明確になったことから、HISへの影響が思ったよりも少ないと判断したのかな?
HISの調査は終了して約6.8億円の返金と算出され、不正受給に該当する金額が判明したことで安心感が広がったようです。
しかし、この金額はあくまでHISの調査であって、国土交通省、観光庁などが了承したものではありません。
また刑事事件化した場合、さらに罰金等の問題も出る可能性があるので、これで終了とは思えませんね。
HISはこの問題が確定しないかぎり決算の発表はできないことから、株価的には安心できない状況です。
投資初心者はHIS株の購入は慎重に行ってください。
不正受給の取引先「JHAT」は元HIS社長の会社だった
この不正受給問題はHISの子会社であるミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベルの2社が、ホテル運営会社であるJHATと共謀して実行されました。
JHATの運営するホテルが不正の現場だったんだね。
その意味ではJHATの責任は免れないよね。
もちろんそうですが、このJHATの社長は元HIS社長の平林氏なんだよ。
だから、この不正受給はHISの身内でおこった事件だと考えてもいいね。
きっと元社長から「美味しい話があるから…やらない?」的なこと言われて、ミキ・ツーリストやジャパンホリデートラベルが「いいね」しちゃったんだね。
あくまで推測だけど…背景を知るとこう考えるのが自然だよね。
HISの会見ではHISの沢田会長兼社長が、子会社の案件なので自分には責任がないと発言していました。
子会社と元社長が共謀して不正を働いているのに親会社の会長が「知らん!」では済まないよね。
みんな大好きトカゲの尻尾切り…ミキ・ツーリストの社長はクビ!
24日の会見でHISの沢田会長兼社長はミキ・ツーリストの社長を解任することを明らかにしました。
いわゆるトカゲの尻尾切りでクビだよね。
全責任を子会社の社長に擦り付けて幕引きを図ろうとしています。
またジャパンホリデートラベルの社長責任については言及されていませんでした。
詐欺案件確定へ!HIS調査委員会の弁護士が指摘
コロナによる不正受給問題はGoTo関連だけでなく、持続化給付金でも多く行われていました。
持続化給付金詐欺では逮捕、自首を問わず多くの人が起訴され、刑事事件として扱われています。
それじゃ、このGoTo不正受給も刑事事件に発展するの?
持続化給付金は大学生などが上手く乗せられて不正を行った事案もありますが、発覚した時点で刑事事件として立件されています。
もちろん逮捕されて人も少なくありませんね。
その意味では今回のGoToトラベルの不正受給も詐欺と同じなので、逮捕者が出ないと公平性を保てないのではないでしょうか?
個人なら逮捕、会社ぐるみなら社長の解任で終わり…とはならないでしょう。
なったらビックリですよね。
24日の調査委員会の会見では委員長を務める荒竹弁護士が「刑罰法規に当たると思う」と認めており、詐欺罪として刑事事件化することを指摘しました。
HISの調査委員会で刑事事件だと言っちゃたんだ。
きっと調査委員会の発表の前には、検察、警察などとも調整・協議していると予想できるので、それを踏まえての発言でしょう。
これは逮捕者が出ると思います。
また司法が介入することでHIS本体の関与も出てくる可能性がありますね。
たんにミキ・ツーリストの社長をクビにして、6.8億円返却すれば終わる問題ではないようです。
JHATは不満タラタラ
この調査内容に納得できないのがJHATです。
調査結果では不正受給の多くがJHATが主導しているとしており、JHATに責任の多くを押し付ける内容です。
これに対してJHATもHISの調査委員会の聞き取りもなく、結果を発表したことには納得していません。
JHATは調査委員会の発表を受けて24日、「不正の事実はない」とのコメントをホームページ上に出しています。
またこのコメントには「利用企業様よりご予約を頂き、手配させていただいたもの」と書かれており、あくまで、HIS子会社からの予約を受けただけと主張しています。
つまり不正をやったのはHISの方だと言いたいんだね。
HISとJHATの主張が平行線であり、主導者が明確でない案件なので、これからもさまざまな動きが出ると思います。
とくにJHATからHIS本体の関与がリークされると株価には深刻な影響がでるでしょう。
エイチ・アイ・エスのこれからの影響
コロナ関連の給付についてはスピード感を第一に実施されてきましたが、一段落ついたところで精査されるのは必然です。
これからも多くの不正が発覚する可能性がありますが、政府としては厳しい対応をおこない、以降の不正抑制につなげる思惑があるでしょう。
そこで気になるのがミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベルの処分です。
旅行の手配業は旅行業法における第一種旅行業免許(国内・海外)が必要ですが、今回の不正により取消などの罰則が適用される可能性もあります。
HISの連結子会社なので業務停止や取消処分を受けたらHISの業績にも影響します。
取消まではいかないと思いますが、長期の業務停止でも悪影響はでますね。
この辺の兼ね合いが見えないこから、HISの決算報告が遅れているのだと思います。
どちらにしても投資初心者はHISの株には手を出さない方がよいと思います。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。