「任天堂」決算後の推移を考える!株価の影響は
2021年5月6日ゲーム機メーカーの任天堂が、2021年3月期の連結決算を公表しました。
今回お内容は誰もが予想していたとおり、大幅な増益でなんと過去最高益を達成しています。
本日は過去最高益を発表した任天堂の株価の動きと、FIRE(ファイヤ)の不労所得として考えられる銘柄なのかを考えてみます。
任天堂の決算内容の概略
任天堂が発表した2021年3月期連結決算の内容は以下のとおりです。
- 売上高 : 1兆7,589億円
- 営業利益 : 6,406億円
- 経常利益 : 6,789億円
- 最終利益 : 4,803億円
(引用:任天堂株式会社 2021年3月期決算短信)
過去最高益を発表した任天堂ですが、昨年に発表した業績予想は強気ではなく、今回の業績は予想外の好調ぶりだったのかもしれません。
参考に2020年5月7日に発表した2021年3月期決算予想を見てみましょう。
- 売上高 : 1兆2,000億円(予想)
- 営業利益 : 3,000億円(予想)
- 経常利益 : 2,900億円(予想)
- 最終利益 : 2,000億円(予想)
どうですか?
今回の決算はは当初の予想と比較して、大幅に上昇したことがわかります。
たとえば営業利益で見ると、3,000億円の予想にたいして6,406億円と2倍以上増加しています。
また経常利益、最終利益も同様の結果です。
営業利益、経常利益の見方は別記事「株式投資⑥高配当株の見つけ方「営業利益」とは?」、「株式投資⑦高配当株で確認したい「経常利益」とは?」をご覧ください。
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前期の決算と比較してみる
次に任天堂の過去の決算と比較します。
2019年3月期、2020年3月期の過去2年の決算は以下のとおりです。
2019年3月期
- 売上高 : 1兆2,005億円
- 営業利益 : 2,497億円
- 経常利益 : 2,773億円
- 最終利益 : 1,940億円
2020年3月期
- 売上高 : 1兆3,085億円
- 営業利益 : 3,523億円
- 経常利益 : 3,604億円
- 最終利益 : 2,586億円
このように任天堂の決算はここしばらく上昇の一途であり、毎年前年の決算を上回る状況です。
とくに近年のコロナ禍において巣籠需要のあるゲーム機の売上が好調であり、「あつまれ どうぶつの森」などのソフトの売上が大きく貢献していると考えられます。
現状の株価の推移と今後の株価の予想
業績好調な任天堂の株価はどのように推移するのでしょうか?
昨年のコロナ禍で株価が暴落した2020年3月には、3万1,880円をつけた任天堂ですが、それ以降は切り上げを続けて今年の2月には69,830円の年初来高値を出しています。
つまりコロナ禍において、1年で株価が2倍以上になった計算です。
しかし、任天堂の株価はこれまでとおりの上昇傾向となるかには、懐疑的な意見も聞かれます。
実は今回の決算発表のなかで、2022年3月期の次期決算予想も発表されており、約30%程度の減益が予想されています。(経常利益)
2022年3月期連結業績予想
- 売上高 : 1兆6,000億円(△9%予想)
- 営業利益 : 5,000億円(△22%予想)
- 経常利益 : 4,800億円(△29%予想)
このように売上高を含めてすべての業績が前年比マイナスとなっており、この状況を考えると株価は一時的に下落する可能性が高いと予想できます。
また実際の株価も年初来高値を更新して以来、膠着状態にあり、60,400円あたりをサポートラインとして上下しています。
もし今回の来期予想でサポートを大きく下回ると、51,000~54,000円程度まで下落するかもしれません。
決算がよくても来季予想が悪いと売られてしまう
任天堂は過去最高の業績を出したにもかかわらず、株価は下落する可能性が高い状況です。
とくに日本では業績は発表前にアナリスト予想として周知されており、株価はそれにより変動する傾向があります。
つまり決算発表時にはすでに業績に対する効果は出ており、投資家はそれ以上のインパクトのある発表を求めています。
これを株業界では「織り込み済み」と言います。
つまり今回の決算内容は織り込み済みですが、来期の予想は織り込み済みではないので、マイナス要因強いと判断される可能性が高いと判断します。
任天堂は毎回予想は低め
来季の業績を大幅に下げた任天堂ですが、実は任天堂の業績予想は低く見積もることが多いようです。
2020年5月7日に発表した2021年3月期の業績予想も、実際の結果の半分以下でした。
数年の予想を見てみると予想を低く見積もる傾向が数多く見受けられ、任天堂に限っては業績予想にやきもきする必要はあまり感じられません。
コロナの状況がどうなるかわかりませんが、ゲーム機やソフト需要がいちじるしく低下することは考えにくく、これからも順調に業績は伸びると思われます。
その意味では株価が下がったところで購入するのもありですね。
J塾長も5万円前半まで下落したら、購入を検討したいと思います。
任天堂は利回りと不労所得への評価
最後になりますが任天堂の株価は60,400円(5/7)で配当は2.37%です。
利回りとしては高くありませんが、これだけの大企業で2.37%を維持していることと、会社としての安全性を加味すると不労所得の投資先としては魅力的です。
また株価が今回の決算により株価が52,000円まで下落した場合は、配当は2.75%まで上がります。(増配も期待できます)
このように不労所得として魅力的な任天堂ですが1つだけ問題があります。
それは任天堂の取引単位は100株単位なので、最低でも600万円程度の資金が必要なこと。
J塾長の不労所得の方針は安定した高配当株を分散して、リスクを低下させる方法です。
1銘柄の100株で600万円必要な任天堂株は上下幅が大きく、資金が一定規模ない人にはおすすめできる銘柄ではありません。
価格が高い株は値上がりも値下がりも大きい…とくに投資初心者の人はここを理解して判断してくださいね。