OPECの増産で注目の石油株…注目は上方修正のINPEX

INPEX

現在株価がパッとしない状況が続いていますが、その理由として考えられるのが資源高と米国の利上げだと思います。

しかし、OPECプラスは5月2日のオンライン会合で2カ月間の原油増産を実施することで合意しました。

いよいよOPECも原油増産に動くんだね。

とりあえず7月、8月の動きだけど、それ以降も増産される可能性は高いと見るよ。
理由としてはOPEC加盟国の一部が、OPECプラスの協定を破棄することを検討しているとの報道だ。
このまま増産をしないことで、世界景気が減退し、世界恐慌を起こす可能性があることを懸念しての動きだよね。
また単純に高値で売りたい思惑を持った国もあるようです。

まぁ、脱化石燃料で盛り上げっていた西側諸国に「お灸をすえた」から、そろそろ許そうと思ったのかもしれません。
さらに「これ以上、アメリカを刺激すると仕返しがあるかも?」って考えたとも思えますね。

楽観はできませんが原油高については、今月中旬以降は若干の下落が考えられます。

そこで本日のブログはOPECプラスの増産と関連して注目される石油銘柄の「INPEX(1605)」を紹介します。

石油銘柄については「ロシア軍侵攻!ウクライナ情勢で株価下落!注目はENEOS」も見て下さい。

 

INPEXが業績の上方修正により株価上昇

日本を代表する石油会社である「INPEX(1605)」は、2021年12月期本決算で経常利益6,576億円と前期比で2.5倍と急拡大させています。

理由はコロナ明けによる原油の需要増だね。

そうだね。
とくに原油価格の高騰による恩恵をモロに受けた感じだよ。
さらに2021年初頭には1ドル103円だった為替レートが、年中旬から110円~115円程度に推移したことも利益が高まった理由と説明されています。

好決算によりINPEXは今期である2022年12月期の業績予想を増収増益としています。

 

  • 売上   :  1兆5,410億円(前期比23.8%増)
  • 経常利益 :  8,240億円(前期比25.3%増)
  • 純利益  :  2,500億円(前期比12.1%増)

この調子なら増収増益は間違いけど、今年に入ってウクライナ紛争も始まって石油高は進んでいるよね。
円安も一時130円まで進んでいたし、現在のINPEX業績はどうなの?

5月11日に2022年12月期第一四半期の決算を発表しているからそれを見てみよう。
凄いことになっているよ。

 

ウクライナ紛争による原油高で1Qは利益が2倍に

INPEが発表した2022年12月期第一四半期(1Q)は予想を超える好業績でした。

  • 売上   :  4,853億円(前期比99.2%増)
  • 経常利益 :  2,778億円(前期比162%増)
  • 純利益  :  940億円(前期比146.4%増)

1Qの決算だから2022年1月~3月の業績だよね。

経常利益、純利益は前年同期比で2倍以上だ。

原油高だけでなく、ロシアへの制裁による天然ガスの高騰も理由だよね。

そうだね。
原油の売上で3,554億円、さらに天然ガスで1,239億円の売上を出しているよ。
INPEXはアラブ諸国と共同で原油生産を行っており、海上輸送、精製に強い会社です。
つまり原油高はINPEXの売上に対して追い風です。
さらに国内の石油会社に原油を卸す場合も、円安による利益が確保しやすい状況です。

 

1Qで業績の上方修正を発表

INPEXは1Qの決算発表と同時に2022年12月期の業績予想を上方修正しました。

1Qで上方修正なんて…ウクライナ紛争の影響は予想をはるかに超えたんだね。

ウクライナ紛争は短期間で終結するとの見方でしたが、ウクライナ軍やNATO、西側諸国の支援で長期化しています。
円安も一時130円程度まで上昇していることから、INPEXも予想以上の利益が出たのかもしれません。

INPEXが発表した2022年12月期の業績予想の上方修正内容を見てみましょう。

  • 売上   :  1兆8,510億円(3,100億円増)
  • 経常利益 :  1兆420億円(2,180億円増)
  • 純利益  :  3,000億円(500億円増)

経常利益が1兆円乗せだぁ~

経常利益は26%以上の上方修正で、過去最高益予想をさらに更新したんだよ。

上方修正の理由は、予想以上の原油価格の推移と円安だと説明されているよ。

 

株価は上昇中だけどミックス係数は5倍以下

INPEXチャート
参照:Yahoo!フェイナンス

これだけの好業績を上げているINPEXの株価は上昇トレンドにあり、現在の株価は1株あたり1,606円(6/3終値)です。

2021年12月末には1株1,000円水準だったので、半年で1.6倍になった計算です。

でもそれなら株価は割高になっているの?

いやそうではないんだよ。
業績もアップしてるから、INPEXのPERは7.42倍、PBRは0.66倍、そして注目のミックス係数は4.89倍と5倍以下だよ。
指標的にみるとINPEXは割安銘柄でることがわかるね。
長期チャートでは2014年に現状の株価水準にあって、以降は2017年~2018年に1,500円水準まで高騰しています。
今回の上昇は強いトレンドなので、このまま2,000円を超える展開になるかもしれません。

 

気になる配当利回りは3.36%

FIRE投資で気になる配当は1株あたり54円で、現在の株価では配当利回り3.36%と高配当と言える水準です。

INPEXは総還元性向40%以上&下限配当を30円に設定しています。

業績が悪くても最低30円の年間配当はおこなうと…
そうゆうことだよね。

株主還元には積極的な会社だと思います。
ただ配当性向と総還元性向は違うので注意が必要だよ。
総還元性向は自社株買いと配当を含めた割合だから、実際の配当性向より高くなる。
INPEXは自社株買いにも力を入れる様子で、そこもメリットです。

 

OPECプラスの増産でどう動くか注目

最初に書きましたが、OPECプラスは7月、8月の増産を決めており、原油価格の下落が期待できます。

この状況がINPEXの業績にどのような影響を与えるのかはわかりませんが、J塾長としては直近では影響は少ないと思います。

コロナ明けで需要が大きいので、増産分はすぐに消化されると思います。
原油価格も大きな下落は考えにくく、INPEXの売上も堅調に進むのではないでしょうか?
石油株としてはENEOSも有名ですが、現状では販売主体のENEOSよりも開発・元売り主体のINPEXが注目ですね。
実際にOPECプラスの増産による影響を見定めて投資を判断したいと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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