【米国テーパリング開始】FIREで注目するべき株式銘柄

利上げ

昨日はアメリカで開かれたジャクソンホール会議における、FRBパウエル議長の講演内容について解説しました。

(詳しくは「【量的緩和は年内維持】FRB議長テーパリングは年後半に? 」をご覧ください。)

このなかでパウエル議長はテーパリングの開始について始めて言及し、年内に実施される見通しが立ちました。

 

実はこの報道を色々と見たのですが、内容的に首をかしげる内容のものがありました。

本日のブログでは米国のテーパリング開始の意味と注目の株式について考えてみます。

 

テーパリングと金利は別と考えるの正解

さまざまなニュース記事を読んでいると、このような内容が見受けられます。

 

  1. パウエル議長の講演でテーパリングの開始が年内と公表
  2. テーパリングが始まることで金利も上昇
  3. 株価が下落

 

たしかにこの内容は大筋では合っていますが、本来はテーパリングと金利は別の政策であり、直接的な関係性はありません。

先日も紹介したとおり、テーパリングは量的緩和を縮小するもので、金利を上昇させるものではありません。

 

中央銀行が債券などを買い入れてお金を市場に供給するのが量的緩和だよね。

中央銀行はお金を刷って市場に供給することで、市場に資金が回って事業や投資などの経済活動が活発化します。

しかし、そのままだと過剰なインフレになることから、一定の効果が確認された時点で資金供給を縮小しなくてはなりません。

これがテーパリングです。

 

でも、テーパリングが始まったら金利も上がるよね。

実際にはそのような動きになることが多いのですが、量的緩和と長期金利は別の経済政策です。

経済が不況になると中央銀行は金利を下げて、お金を借りやすい環境を作ります。
しかし、金利を下げても経済が活性化しないと、さらに金利を下げて最終的には現在のように金利をゼロまで下げます。

これを「ゼロ金利政策」と言います。

 

今はゼロ金利時代だってテレビで言ってた!

しかし、金利をゼロにしても経済の上昇が見込まれないと、利下げによる対策はこれ以上できません。
そこで量的緩和をおこない、強制的に市場に資金(お金)を供給するのです。

つまり量的緩和は金利を下げても効果がない場合に、次の手段として追加される経済対策です。

 

つまり、現状の経済対策は二段階でおこなわれており、一段階が低金利政策二段階が量的緩和政策です。

 

今回パウエル議長が話したのは、あくまで二段階目の量的緩和政策の縮小であり、利上げには言及していません

またパウエル議長は利上げについて、判断時期ではなないとして慎重な姿勢を崩していません。

(時事通信:NY株反発、242ドル高=FRB議長講演で安心感)

 

このことから、「テーパリング=利上げ」と断定することは間違った認識ですね。

テーパリングの開始で注目される株式銘柄

銀行

基本的にテーパリングの開始は株式にとってマイナス材料であることは、先日のブログでも紹介しました。

テーパリングが開始されることで量的緩和が縮小され、段階的に今まで購入していた債券等が売りに出されます。

またテーパリング後も経済がインフレ傾向であれば、次のステップとして利上げも始まるかもしれません。

 

テーパリングと金利は直接関係なくても、テーパリングの次は利上げが待っているんだね。

そうですね。
テーパリングを完了した時点でも経済がインフレ傾向にあれば、次は利上げが開始されるでしょう。
そうなれば資金は株式から債券等に流れる可能性があります。
株式市場にとっては悪材料です。

ただし現在のアメリカ市場はとても好調なので、金利が上がったとしても大きな株価下落にはつながらないとの意見も多いようですね。

 

テーパリングの開始で注目される株式銘柄はないの?

テーパリングの開始は直接の関係はありませんが、将来的な利上げにつながることから金融株については追い風になります。

 

金利が上昇すると株式市場の資金が債券市場などに流れて、株価が低迷することが多いのですが、金融機関など一部の銘柄については買いが集まり株価は上昇します。

 

金融株が注目される理由は「金利の上昇により銀行などの収益性が上がる」ことです。

 

金利の上昇は銀行に大きな利益をもたらすことから、営業利益は拡大し株価も上昇します。

すでにテーパリング開始を意識して一部の金融株には買いが集まっているようです。

 

米国のテーパリングと日本株

日本のメガバンクのなかには海外で得る利益が全体の半数にも達する企業があり、それらは日本市場だけでなく米国でも大きな利益を出しています。

  

つまり、米国が利上げをおこなった場合は、日本のメガバンクも利益拡大につながります。

 

日本のメガバンク銘柄 

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
  • 三井住友フィナンシャルグループ(8316)
  • みずほフィナンシャルグループ(8411)
  • その他

 

アメリカのテーパリングと利上げで日本のメガバンクも利益がでるんだね。

アメリカの利上げにより、日本のメガバンクの株価も上昇する可能性が高いと思います。
メガバンクのなかには高配当株も含まれているので、FIRE銘柄として投資するチャンスかもしれません。

 

いよいよ始まった感のあるアフターコロナですが、状況は刻一刻と変化するので、乗り遅れないようにしたいですね。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感じ方なので、あくまで参考程度に受け取ってください。

投資は自己責任でおこなってください。

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