米国株安を招いた中国の大手不動産会社「恒大集団」

9月20日の米国株式市場は大荒れの様相で、NYダウが614ドルの下落、ナスダック総合が330ドルの安値で終了しました。
今回、米国市場が下落した原因は何?
アメリカではテーパリングの開始が近いなど、投資家は投資環境に敏感になっています。
その状態で起きた今回の暴落は、中国の大手不動産企業「中国恒大」のデフォルトリスクが高まったことが要因です。
本日のブログは9月20日に起きた米国株式市場の大幅下落について、投資初心者向けに解説します。
アメリカ経済については「【量的緩和は年内維持】FRB議長テーパリングは年後半に? 】FRB議長テーパリングは年後半に?」などを参照ください。
恒大集団とは
恒大集団(Evergrande Group)とは中国の大手不動産企業で、中国国内で民間不動産事業を展開しています。
中国経済は不動産バブルの状況が長く続いており、その波にのって 恒大集団も大きく成長してきました。
恒大集団は中国の250以上の都市で事業をおこなっており、20万人以上の社員がいると言われています。
恒大集団 の状況
今回の米国市場の下落は恒大集団のでフォルトリスクが高まったことが要因です。
この恒大集団が経営悪化していることが米国株式市場に影響をあたえたんだね。
恒大集団は多額の負債を抱えており、その金額は日本円で33兆円とも言われています。
そしてその借金が返せなくなる債務超過の状況と疑われたことから、格付け機関のS&Pは格付けを「CC」に引き下げています。
(参考:ロイター:「S&P、中国恒大集団を「CC」に引き下げ 流動性枯渇」)
S&Pの「CC」は「保険財務力が極めて弱い」、「債務をすべて履行できない可能性がある」との意味なので、もはや破綻に近い状況と判断されています。
中国企業のデフォルト懸念で米国に影響が出る訳
恒大集団が破綻した場合、直接雇用で約20万人、間接雇用で300万人以上が職を失う可能性があります。
そうなると不況連鎖により中国経済はバブルがはじけて、今までぎりぎりで維持していた好調経済が破綻するかもしれません。
世界経済のなかで中国経済が破綻すると、世界経済にも悪影響が出る可能性が高いことから、投資家が株を売却したのが理由だと思います。
中国経済って世界中に影響が出るんだね。
以前からチャイナリスクは言われていましたが、実現すると我先にリスクを回避する動きに出るのは仕方がありませんね。
ただし、この流れは長くは続かないとと思います。
これからの状況
恒大集団については不明点が多いのですが、リーマンショックと比較すると大きな違いがあります。
リーマンショックでは破綻による影響が連鎖して、多くの金融機関が支払い不能に陥りました。
しかし現在では法整備によりそのような連鎖反応が起きないように規制されており、恒大集団が破綻しても影響は限定的ではないでしょうか?
リーマンショック時代の環境と現在の環境では大きな違いがあります。
リスクの高い金融商品の規制など、金融破綻が波及しにくい法整備が作られています。
また中国経済から見ても、このまま経済を悪化させることは国としてできないので、なんらかの救済策を実施しると予想できます。
中国共産党としては政情を安定させるためにも、中国経済をこのまま維持させる思惑があると思います。
よって 恒大集団についても救済策を講じて、経済の安定化を図るのではないでしょうか?
連休明けの日経平均株価も600円程度の下落から始まり、30,000円の大台を割り込みました。
投資チャンスを含めてこの先の動きを注視したいと思います。