ブラジル国債でFIREはできる?表面利回りに騙されるな

ブラジル国旗

FIREを実現させる上で大切ななことは、安全な運用で安定した利益を得ることです。

これがなかなか難しいのですが、それでも勉強することで一定のリターンを得ることができるでしょう。

 

安全・安心な運用ってなに?

そうだね。
投資のなかで安全な運用の代表は、やはり「預金」だと思います。
しかし預金では利子が少なくFIREに活用できません。

それでは国債ならどうだろうか?
個人向け国債も年利が低くなって、一時の勢いはありませんが、証券会社のキャンペーンを利用することで少しはましな利息になりますね。

 

国債と言えば、日本以外の国でも発行しているよね。
アメリカ国債は有名だけど、もっと利率のよい国債もあると聞いたよ。

実は年利で8%を超える国債が世界にはあります。
本日のブログはアメリカ以外の国が発行する高利率の国債について紹介します。

 

日本政府が発行する個人向け国債については「個人向け国債の買い方はキャンペーン込みで利回りを計算」に記事をご覧ください。

 

 

日本の国債はFIREでは使えない

日本では個人に対して「個人向け国債」が発行されていますが、同じく世界中の国々でも国債が発行されています。

有名なのはアメリカ国債(米国債)で、10年債で約1.45%の利率が付いています。

 

ドル建てのアメリカ国債は世界中の投資家にとって軸となる投資商品だよね。

伝説の投資家も「資産に必要なのはS&P500インデックス商品とアメリカ国債だけでよい」などとも発言しています。
それくらいアメリカ国債は信用が高い国債だと言えますね。

 

日本の個人向け国債10年 第138回国債の利率は0.05%で、アメリカ10年国債は1.45%です。

 

えっ
29倍もちがうの?

日本の個人向け国債はもはや利率がないような状態ですから、証券会社のキャンペーンを利用するしか利益はでませんね。

 

このように日本の国債は今や利率が小さすぎてFIRE(ファイア)の投資には利用し辛い状況です。

 

アメリカ以外の国の国債

アメリカ以外の国の国債はどのような状況なのでしょうか?

 

  • ブラジル国債 : 8.247%
  • カナダ国債 : 1.395%
  • イタリア国債 : 1.401%
  • フランス国債 : 0.905%
  • スペイン国債 : 0.795%
  • ロシア国債 : 5.530%

(参考:HS証券 既発債券)

外国の国債を多く取り扱っているHS証券のホームページを見ると、各国の国債(既発債券)の利率が表示されています。

目を引くのはやはり「ブラジル国債」の8.247%ではないでしょうか?

 

ブラジル国債の利率は8%を超えているよ。

過去には15%まで年利が上昇したブラジル国債ですが、最近は8%水準で推移しているようですね。

今回表示しているのはあくまで既発債券なので、本来の設定利率と実際の利回りは差がでます。
今回記載したのはあくまで現時点で購入した場合の実際の利回りです。

 

ブラジル国債のシミュレーション

それではブラジル国債を購入したと仮定したシミュレーションをやってみましょう。

 

HS証券で購入できるブラジル国債は25万BRL以上なので、購入単価・為替レート・手数料を考えると約600万円の資金が必要です。

25万BRLのブラジル国債を購入した場合のシミュレーションは以下の通りです。

  • 購入金額:6,036,000円(手数料含む)
  • 購入単価:109.647(既発債券のため)
  • 購入時為替レート:21.57円
  • 国債額面:250,000BRL
  • 償還期限:6年3ヵ月
  • 受取利息:202,355円
  • 年間利息:404,710円
  • 合計利息:2,630,615円
  • 受取予定償還金:4,955,000円
  • 償還時為替レート:19.82円
  • 受取利息償還金合計:7,585,615円

このシミュレーションはHS証券提供を利用しており、為替レートやスプレッドは9月24時点で計算されています。

 

結果としては年間で41万円程度の利息が貰えるので実際の年利は6.6%程度です。

償還時に受け取れる額は額面の25万BRLですが、為替レートを19.82円とすると500万円弱が償還されるので、トータルの利息と償還元本を合わせると758万円となり、6年間で150万円の利益が出たことになります。

 

150万円の利益を6年で割ると年間25万円、実質の年利は4.1%程度です。

 

600万円購入して6年で150万円の利息なら投資成績としては申し分ないと思うけど?

ブラジルなどの新興国の国債は、為替による影響が高いのと既発債の場合、購入時の手数料などが必要なので、表面通りの利回りにはなりません。

表面では8%を超えているブラジル国債でも実際には4%程度の利回りです。
またこの計算は証券会社のシミュレーターを使用しており、為替レートも大きな変動なく計算されていますのでそのまま信じないようにしてくださいね。

 

外国の国債は表面利回りに注意

外国の国債はブラジル国債でもわかるように、表面利回りと実質利回りに大きな違いがあります。

今回のシミュレーションでは利回りが半分以下になりましたが、実際にはその程度では済まない可能性もあり、とくにドル、ユーロ、円など基軸通貨以外の国債については購入単価や為替レートに注意しなくてはなりません。

 

  1. 外国の国債には高い利率が設定されているものがある
  2. 既発債の場合、調整のための購入単価がある
  3. 表面利率と実質利回りに大きな違いがある
  4. 基軸通貨以外の通貨は為替レートに注意

 

利回りが高い外国国債を購入するさいには、しっかりとしたシミュレーションを使って、算出された数値から利回りを計算することが大切です。

 

明日は実際に新興国の国債がFIREに活用可能か考えてみます。

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