新生銀行TOBはSBIの勝利!でも新生銀行株は下落予想

新生銀行TOB結果

ここしばらくTOBの話題と言えばSBIホールディングスが仕掛けた新生銀行でしたが、いよいよ決着しました。

けっこう長かったよね。

敵対的TOBだったので、買収防衛策やらホワイトナイト探しやら…と色々ありましたが、やっと決着したようで、SBIホールディングスの完全勝利の様相ですね。

本日のブログはこれまでも紹介してきたSBIホールディングス(SBIHD)が実施した新生銀行へのTOBの結果と、これからの新生銀行株に対する投資判断について考えてみます。

 

SBIHDのTOB実施については「【友好的TOBに移行】新生銀行よりもSBIHD株に注目の訳」などのブログも見て下さい。

 

 

あえて書こう…新生銀行の株価は下落するであろうと

今回のSBIHDの買収成功により新生銀行はSBIグループ入りするのですが、期待通りに新生銀行の株価が上がるとは思えません。

経営陣が変わりSBI傘下に入ることで業績向上が実現されるのでは?

長期的には正しい見方だとおもうけど、実際にはそんなに上手くはいかないと思います。
まず新生銀行には国に対する多額の借金があり、それを返済しなくてはなりません。

今回のTOBを議論する上で、SBIHDは新生銀行が国に借金を返済してこなかったことを経営陣の怠慢だと指摘しました。
これにより新生銀行の経営陣は大株主である国から梯子を外された形になったのですから、SBIHDとしてはしっかりとした返済プランを作らないと問題になるでしょう。

ある意味、公的資金の返済問題は「寝た子を起こした」状態で、これからの新生銀行の経営を圧迫する可能性があるんだね。

公的資金は約3500億円と言われており、それを返済するためにSBIHDは注力しなくてはならず、新生銀行の株主還元等にも制限をかけるかもしれませんね。
そうなると株価は公的資金の返済目途が立つまでは低迷する可能性が高いと思います。

新生銀行の株価はTOBの終了により下落しており、現在は1870円程度です。

ここからどの程度下がるのかが気になりますが、場合によっては1,300円~1,500円程度とと元の水準に戻るかかもしれません。

 

SBIホールディングの買収で株価は上がらない

実はSBIHDが銀行を傘下に収めるのは新生銀行が初めてではありません。

たしかいくつかの地銀と資本提携をして地銀連合を作っているよね。

くわしくは覚えていないけど福島銀行や仙台銀行、筑波銀行など8行程度のグループですね。

SBIが各銀行と資本提携することで、銀行間の業務提携が円滑になり効率のよいビジネスが展開できるメリットがあります。

しかし、実際には未だその効果は表れておらず、各銀行の株価は低迷したままと言っても良いでしょう。

たとえば2019年11月にSBIと資本提携した福島銀行は一時的には400円を超える株価を付けましたが、以降低迷しており現在は211円と約半額です。
ほかの地銀もSBIと資本提携しても特に株価は上昇せず、反対に低迷している状態ですね。

今回の新生銀行へのTOBにおいてもSBI傘下に入ることで、株価が2,000円台を維持するとは到底思えません。

SBIと資本提携した地銀も同じように、新生銀行も公的資金も問題もからめ低迷する可能性があります。

 

SBIホールディングスによる祭りは終了

TOBが終わったことでSBIHDが仕掛けたTOB祭りは終了です。

新生銀行の経営陣は色々と踊っていたけど、結局はどうなるの?

記者会見やったり、ホワイトナイト探したり、ポイズンピルを作ったりと踊り狂っていた経営陣ですが、来年2月に実施される臨時株主総会で社長を含めて退任する予定です。
あらたにSBIが推薦する会長、社長が就任する予定で、現取締役からの退任もでるでしょう。

まさしくお祭り終了ですね。

J塾長の考えでは新生銀行への投資は現時点ではリスクが高く、株主還元についても期待できない状況です。

FIRE(ファイア)目的の投資では慎重な判断をしてください。

投資話