楽天グループが最大の赤字状況に!5G普及で復活可能か?
「楽天グループ(4577)」が2022年2月14日に2021年12月期連結決算を発表し、純損失が過去最大の1,338億円の赤字となりました。
赤字と予想されていたけど、前期を上回る赤字になってしまった…
赤字は3年連続で赤字幅は過去最高となっています。
本日のブログは過去最高の赤字を発表した「楽天グループ(4755):楽天G」の今後について考えます。
株式銘柄については「株主優待株のコロワイド…好決算発表でいよいよ復活開始か」なども見て下さい。
楽天市場の利益をモバイルに垂れ流す状況か?
現在の楽天Gの状況を簡単に表すと…
楽天市場で儲けたお金を楽天モバイルに突っ込んでいる状況かな?
むーちゃん、言い方!
だけど、的を得ていると思うよ。
現在の楽天Gは、コロナ禍の巣ごもり需要で活況な楽天市場の利益を、楽天モバイルの設備投資など使っている状況だと思います。
楽天Gが発表した2021年12月期連結決算を見てみましょう。
- 2021年12月期連結決算(通期)
- 売上:1兆6,817億円(2,262億円増)
- 営業利益:△1,947億円(1,009億円減)
- 純利益:△1,338億円(197億円減)
売上が15.5%も増えているのに赤字幅は拡大しているね。
赤字は過去最大の1,338億円に達していますが、その反面、売上も過去最高になっています。
つまり楽天市場でどんなにもうけても、他の事業で赤字幅が拡大する1年だったようですね。
赤字拡大の原因、楽天モバイルの今後
楽天Gの説明では楽天モバイルのサービスエリアが4Gで「人口カバー率96%」となっています。
つまり、日本の人口の96%の生活圏で楽天モバイルのサービスが利用できるイメージですね。
でもネットでは楽天モバイルは繋がりづらいとの評判もあるよ。
個人の感想なので分かりませんが、そのような意見はよく見かけますね。
また高層マンションなどでも繋がりにくいとの話も耳にします。
楽天モバイルの説明では契約数は550万契約を超えており、これからもユーザー数は増加するとしています。
そんなに順調にいくのかな?
1年間無料で注目されていましたが、終了後の現在もさまざまなサービスを実施していることから契約数が増えているのだと思います。
しかし結局は品質勝負が携帯事業なので、他事業者を圧倒する力はまだないと思いますよ。
また1年間の無料期間が終わることで、MNPによる転出が増える可能性があります。
つまり、この550万契約はまだ本物とは言えないのではないでしょうか?
無料が終わったらサヨナラなんて、よくある話だよね。
実はJ塾長はもともと旧自動車電話システムの交換機ソフトウエアを開発していたエンジニアで、33歳で起業するまで大手携事業者で技術開発を行っていました。
携帯事業はお金がかかります。
とくにシステムは日々進化するので、そのたびにシステムの更新や入れ替えが必要です。
またスマホ事業は基地局の設置場所の確保もあるので、地価や家賃の上昇も大きな負担です。
日本の地価も5年前と比べて上昇しているので、大きな負担になっているはずです。
楽天モバイルがビジネスを成功させるには品質の確保しかありませんが、ドコモやKDDI、ソフトバンクでもたびたび傷害を発生させており、経験の浅い楽天も同様な問題を起こすのは間違いありません。
そのときに価格だけでユーザーをとどめるのは難しいのではないでしょうか?
ローミング費用削減で赤字ピーク脱却へ
ローミングとは他社回線を間借りしてサービスを提供することで、楽天モバイルは主にKDDIの回線を利用しています。
楽天としてはローミング回線を自社回線へ切りかえることで、ローミングにかかっていた費用を大幅に削減できることから、2022年第1四半期を赤字のピークと見ています。
KDDIに支払う回線利用料が減るから、経費が少なくなるんだよね。
2022年第2四半期からは本格的な業績回復を目指しているようですね。
ただ人口カバー率96%もあるのなら、なぜローミング解消がここまで遅いのか気になりますね。
案外、基地局だけのカバー率で、基地局と交換機をつなぐ回線が厳しいのかもしれません。
あくまで96%カバー率は4Gの電波の話で、基地局の回線の話ではないのですから。
さらに5Gの基地局整備もこれからなので、まだまだ投資が必要な状況だと思います。
ローミング費用の解消で5Gの設備投資が補えるかがポイントですね。
配当は4.5円を据え置き
今回の決算では年間配当を4.5円とすることが発表されました。
楽天グループの株価は1,000円を切って981円水準なので、配当利回りは0.45%だね。
楽天はもともと株主還元には積極的でなく、内部留保や事業拡大を優先しています。
しかし、事業拡大に利益を使っても株価が下落しているのは、ちょっと納得できないですよね。
本来であれば株主還元を充実させないのなら、株価を上げる事業を推進するべきですが…
また楽天Gは株主優待を実施しており、100株以上の保有で楽天キャッシュが500円分もらえます。
株式の保有数で金額が増えますが、5年以上の長期保有では楽天キャッシュが500円増額されます。
さらに100株以上の株主一律で1,500円の楽天トラベルの国内宿泊クーポンももらえます。
100株保有で5年以上の株主は1,000円の楽天キャッシュと宿泊クーポンがもらえるんだね。
5年未満、100株株主の優待利回りは0.5%、宿泊クーポンを加えると2.03%ですね。
配当利回りを含めた総合利回りは2.48%です。
5年以上、100株株主では優待利回りは1.01%、宿泊クーポンを加えると2.54%ですね。
配当利回りを含めた総合利回りは2.99%です。
なんか宿泊クーポンを加えると微妙に高配当かもwwww
チャート的には800円程度まで下落する恐れもありますが、楽天市場自体の売上は増大しており、株価の下落はそこまでいかないと考えています。
ただし、楽天モバイルの設備投資について、とくに5Gの基地局関連で費用がかさんでいるとの噂もありますので、内容によってはさらに赤字幅が増える可能性も考えられます。
最近「楽天経済圏の改悪」が話題ですが、これも要因は楽天モバイルだと思います。
いままで楽天の各種サービスでもらえていたポイントが削られ、それが楽天モバイルに突っ込まれている…と。
楽天グループへの投資判断は?
楽天グループの株価が3ケタ台に入り、割安感が出たとの話もありますが、ここは慎重に考えた方が無難です。
J塾長はとりあえず2022年12月期第2四半期の決算をみてから判断した方が賢明だと考えています。
計画であれば2022年12月期第2四半期からは、赤字幅が減少する計画なので、それが実現されるかが株価上昇のポイントとなるからです。
楽天Gは来期の業績予想を出しておらず、あくまで見通しで済ませています。
ちょっと信用できないね!
むーちゃんに言われちゃいました。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。