阿武町4630万円誤送金問題!容疑者はこれでFIRE可能か

阿武町誤送金問題

毎日のように世間を騒がせている阿武町の給付金誤送金問題ですが、T容疑者電子計算機使用の詐欺容疑で逮捕されました。

いろいろな報道が出ていてよくわからないけど、逮捕されたことでお金の流れも解明できると阿武町長は期待しているよね。

まぁ、誤送金はあくまで過失だから、これはどこにでも起こりうる話だよ。
しかし、返金に応じず使ってしまったのなら、本末転倒としか言いようがないね。

でもJ塾長は4,630万円をすべてネットカジノに使い切ったとは思っていませんでした。

あくまで推測ですがギャンブルなれしていない人が、数日で4,630万円を使い切ることは可能なのでしょうか?(負けすぎでしょう?)
もちろん上場企業の御曹司などのお金持ちは、1日で1億円以上のギャンブルをするのでしょうが、通帳残が10万円程度しかない貧乏人が、数日で4,600万円を負け続けること自体が無理な気がしますよ。

結局逮捕されて諦めたのか、一部がカジノ業者から返還されたようですね。

数日で4,600万円以上をギャンブルで負ける度胸があれば、他の仕事でも成功しているよね。

まさにどれだけギャンブル弱いんだよ!

予想通り1社保管の3,500万円は返還したけど、他の業者の分もきっとプールされているよ。

このブログはあくまでFIREを目的とした投資や、金融時事ニュースの解説なので、阿武町の誤送金問題の真実は主題ではありません。

逮捕された以上、警察や検察、司法の判断が下されるでしょう。

でもね…J塾長は考えたんですよ。

「4,630万円の誤送金があれば、そのお金でFIRE(ファイア)できるかな?」って。

たとえばFIRE(ファイア)に憧れていたTさんの通帳に、いきなり4,630万円が誤送金されたとします。
Tさんはネットで情報を集めて、お金を隠し、全てのお金を使い切ったと嘘を言ったと仮定します。

さてTさんはこのままFIRE生活に入ることができるのだろうか?

FIRE(ファイア)の4%ルールについては「FIREには年間支出の25倍の資産が必要!4%ルールとは?」も見てください。

 

 

FIRE(ファイア)の4%ルールで4,630万円を考えてみる。

FIREを目指している人にはお馴染みかもしれませんが、FIRE資金の目標額として「4%ルール」と呼ばれるものがあります。

FIRE(ファイア)の4%ルールとは「年間の生活費(年間支出)」が、「運用する資産の4%以内」であれば、「30年間生活が維持できる」との論文により作られた言葉だよね。

そうだね。
FIRE生活で必要な1年間の生活費が、運用可能な資産の4%以内であれば30年間はFIRE生活できるとの経済学者の論文です。
つまり月に20万円、年間240万円でFIREしたい人は、運用資産を6,000万円用意する必要があるんだ。

ただし、日本では運用利益にかかる譲渡や配当の税率が約20%(20.315%)なので、実際には7,000万円~7,500万円の資産がないと240万円の生活費は出ない計算です。

それではTさんが誤送金で得た4,630万円を4%ルールに当てはめてみましょう。

 

4,630万円 × 4% = 185.2万円

 

年間185.2万円かぁ。
月に15.43万円で生活できればいいんだよね。

いやいや、約20%の税金が必要だから、年間148.16万円だね。
月額で12.34万円だ。
まあ、NISAを使えば少しはよくなるけど、年間の枠が限られているから、たいして効果はないよ。

4%ルールでは毎月12万円程度で生活できればFIREは可能と出ました。

微妙な金額だけど過疎地の空き家バンクを利用した生活なら可能性はあるかな?

 

所得税がえげつないから4,630万円の投資は無理

もしTさんが暗号通貨などを使用して、上手に4,630万円を隠しきったとしても、実際には4,630万円のすべてを投資に回すことは不可能です。

もしや税金…

所得税基本通達で「犯罪行為で得た収入についても的確に確定申告を行い、所得税を納付…」とあります。

つまり、詐欺を含む犯罪行為で得た収入も所得とみなして所得税を納付する義務があります。
日本の所得税は累進課税で4,000万円以上の所得税率は45%なので、Tさんのケースでは2083.5万円を納付しなくてはなりません。
そうなると残りは2,546.5万円しかありません。

つまり、Tさんは確定申告で税務署に約2,000万円の税金を支払う義務があり、さらに住民税や上限一杯の国民健康保険税も必要です。

そうなる、手元に残るお金は2200万円程度になり、4%ルールで考えると年間88万(税引70.4万円)で生活しなくてはなりません。

うーん、月額5.8万円しかないぞ。

これではFIREは難しいか…

 

破産と免責を混同しすぎ…返済は一生続く

ネットでギャンブル

阿武町の誤送金問題では「容疑者が破産するのではないか?」と盛り上がりを見せていますが、誤った認識で語る人も少なくありません。

破産をすれば債務がチャラと捉えて人が多いよね。
破産して債務が消滅するのは、あくまで免責許可決定を受けた人だけなんだよ。

「破産=免責」と考えている人がいるけど、これらは別の制度だから、破産決定を受けた人が全て免責決定を受けられるとは限りません。

免責申請は破産決定を受けた人しか申請できませんが、破産決定を受けても「免責不許可事由」に該当する人は免責決定を得られません。

免責不許可事由にはいくつかの項目がありますが、なかには「浪費やギャンブルによる借金」、「債務者の財産を不当に減少させる行為」などが含まれており、これらに該当すると破産はできても免責にはならず、借金は消滅しません。

つまり、Tさんのように誤送金とわかっていて返金を求められても、「返金に応じずに資金を移動」させたり、「ギャンブル等で使用」したりすることはあきらかな免責不許可事由に該当します。

破産はあくまで債務をまとめて整理する制度で、免責申請を行うために破産決定が必要なだけ。
だから、破産しても免責が下りない可能性があるんだね。

免責が下りないと借金はなくならないから、一生返済の必要がでるよね。
Tさんピンチだ。

Tさんは阿武町に最低でも4,630万円を返する義務を負います。
阿武町では返還にかかる費用(弁護士費用など)を含めて、約5,100万円の返済を求めて提訴していますが、分割返済となった場合はさらに利息が付く可能性もあります。

 

そもそも税金は免責の対象外って知ってた?

これも勘違いする人が多いようですが、そもそも税金は破産時における免責の対象外です。

えっ、上手くやって免責を得られても、税金は免責の対象外なの?
それならTさんは多額の税金を払わないと…

もし免責を受けられたとしても税金は対象外なので、所得税、住民税、国民健康保険税などの税金は消滅しません。
とくに所得税は国税なので、国税局は諦めることなく一生付きまとわれるでしょう。

さらに国税の支払いを延滞すると延滞税が加算され、その税額が最大で年利14.6%にもなるよ。
2,000万円の所得税を払わないと、最大で年間292万円の延滞税が加算されます。

きゃ~

サラ金なみだ。

ヤバイよwwww

 

誤送金を上手くやってもFIREは無理みたい

Tさんが誤送金の4,630万円を上手に隠したとしても、ここまでの考察からFIREは無理だと判断できます。(笑)

理由をまとめてみました。

  • 違法行為で得た所得でも所得税は必要
  • 住民税、国民健康保険税も上限額が必要
  • 破産ができても免責は無理
  • 国税滞納は延滞税がサラ金なみ
  • 国税は一生付きまとう
  • 阿武町に対する返済も一生続く
  • 名バレ、顔バレ、身元バレにより就職が困難

Tさんは誤送金を返金せずに使用したことで、それが違法な「収入」であることを自ら認めてしまいました。

犯罪行為で得た収入も所得なので、使用したことで約2,000万円の所得税は確定だと思います。
そうなると高額の住民税や国民健康保険税も発生するので、残りは2,200万円~2,300万円程度です。

しかし、破産しても免責は下りないので、結果として約2,200万円で4,630万円の借金を作ることになります。

刑期を終えて出所し就職しても、毎月の給与から差し押さえの上限である1/4を支払う生活になるでしょう。
なんかツライ人生ですよね。

やっぱり、誤送金でFIREは無理みたいだね。

そりゃ無理でしょう。
Tさんも所得や税金のことを知らずに詐欺行為に及んだのだと感じました。
これだけ話題になると逃げることは不可能ですし、海外の口座に暗号資産で隠していても、4,630万円の違法所得は明らかで、所得税などの税金からは逃げられません。

結局はがんじがらめで身動きが取れなくなるでしょう。
名前も顔も晒されているので信用もなく就職も困難となり、もはや日本では生活できないレベルですよね。

もう海外に逃げるしかないか?

4,600万円程度では東南アジア逃亡もきついよなぁ~。
10億とかの詐欺なら逃亡の価値もあるけど、4,600万円程度じゃすぐにお金が無くなりそう。

そもそも4,600万円は人生をかける金額にしては少ないと思います。

Tさんはそこをしっかりと考えるべきでした。

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