ETFと投資信託の違いとは?NISAの適用や買い方を紹介

ETF

先日、投資信託について簡単に説明しましたが、基本的に投資信託はあくまでプロやファンドマネージャーが運用する金融商品です。

投資信託は株式や債券、商品、不動産などを運用して一定の利益を追求しますが、インデックスと呼ばれる「特定の指標(指数)」に連動させる投資信託もあります。

たとえば「日経平均株価」に連動させることを目的としたインデックス型の投資信託は、日経平均株価と似通った値動きをします。

またTOPIX(東証株価指数)に連動した投資信託もあります。

このように投資信託には積極的な運用を目指す「アクティブ運用」、一定の指数に連動する「インデックス運用」があります。

株式市場の平均に合わせる運用である「パッシブ運用」もインデックス運用型と言われています。

そして今回紹介する金融商品が「ETF(Exchange Traded Fund )」

日本語では「上場投資信託」と呼ばれている金融商品です。

一般的な投資信託よりも株式の売買に近いETFの魅力について紹介します。

過去に紹介した投資信託の記事「投資信託①初心者が理解したいはじめての投資信託」なども参照ください。

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ETFと一般的な投資信託の違い

皆さんもご存じのとおり、私たちが普段おこなっている株取引は、「上場株式」が対象で、株式市場に上場している株式をリアルタイムで売買しています。

しかし、一般的な投資信託は株式市場に上場されていない「非上場投資信託」で、証券会社や銀行などの金融機関で事前に決められた基準価格にて売買します。

ETFは投資信託のなかでも株式市場に上場している投資信託で、株式と同様にリアルタイムでの取引が可能な商品です。

主な特長を4つ紹介します。

①株式市場に上場している

ETFは株式市場に上場している投資信託なので、株式と同様に市場の取引時間であればリアルタイムで取引が可です。

一般的な投資信託は1日1回程度設定される基準価格での取引であり、また換金にも時間が必要です。

株式市場で取引されるETFの売買は流動性が高く換金性にも優れており、価格も基準価格ではなく随時変動します。

またETFなら株式の売買と同様に売却も簡単、投資資金としてのロスを押さえる効果もあります。

②手数料が安いのが魅力

ETF画面

※引用:Yahoo!ファイナンス

ETFは一般的な投資信託と比較して、手数料が安く設定される傾向が見られます。

Yahoo!ファイナンスのETFリストを見ると、「ダイワ 上場投信-トピックス(1305)」は「0.121%」、「上場インデックスファンドTOPIX(1308)」は「0.0968%」と一般的な投資信託よりも安い水準の信託報酬です。

一般的な投資信託のなかでもアクティブ運用の投資信託は高めで、年1.0%~2%程度の信託報酬は珍しくありません。

たとえば年間3%の運用益が出たアクティブ運用型のファンドでも、2%の信託報酬を引くと1%しか利益がでないこともあります。

信託報酬は投資信託の利益に直接関係する費用なので、安易に考えてなりません。

ETFはパッシブ運用がメインですが、信託報酬が安く購入時の買付手数料も必要ありません。(証券会社の手数料は別途)

無駄な経費を省いて投資信託が購入できる仕組みだと考えてください。

ただし近年では一般的な投資信託のなかにも、買付手数料がいらないノーロード商品や、信託報酬が安価な商品がありますので覚えておきましょう。

③NISAが使える

FIRE(ファイヤ)生活資金としての不労所得では、配当や分配金に対する税金対策が大切です。

「NISA」は少額投資非課税制度で一定枠の投資に対して、所得税や住民税などの税金がかかりません。

現在は年間で120万円までが最長5年間非課税枠として利用できます。

ETFはNISAの対象なので、条件内での非課税運用が利用できるのでお得です。

夫婦2人なら年間240万円、5年間の投資であれば1,200万円まで非課税対象です。

④基本的な運用はパッシブ運用(インデックス運用)

ETFの運用方式はパッシブ運用(インデックス運用)です。

各ETFに設定された指数に対して連動させ、同等の運用成績を収めるのが運用の目的だと思ってください。

(厳密にはインデックス運用とパッシブ運用には若干の違いがありますが、初心者向けの説明なのでここでは同等だと覚えてくださいね。)

日経平均株価などの動きと連動していることから、投資の初心者でも状況がわかりやすく、投資の判断も比較的簡単だと思います。

ただしETFのなかには原油や金属、海外株式、新興国債券など複雑な商品もありますので、投資の初心者はこれらは避けたほうがよいでしょう。

ETFと投資信託はわけて考える

ここまでETFを説明しましたが、一般的な投資信託よりも手数料が安く、換金・流動性も高いことがわかりました。

しかしすべてにおいてETFが優れているのではなく、商品の種類においては圧倒的に一般的な投資信託が勝っています。

つまりETFは投資信託のなかのごく一部であり、運用成績を考えるなら一般的な投資信託の方が優れている場合があります。

また毎年40万円、最長20年間(最大800万円)が非課税で投資できる「つみたてNISA」でも、一般的な投資信託が利用でき長期間の運用も可能です。

(※NISAとつみたてNISAはどちらか一方のみ選択可能)

FIRE(ファイア)の不労所得として投資信託を選択する場合、ETFと一般的な投資信託を検討しなくてはなりませんが、性質が違うことから別物として考えた方がよいでしょう。

資産の換金性や流動性、手数料の安さなどに重点をおくならETF、少額での積立やアクティブな運用を期待するなら一般的な投資信託。

自分の投資スタイルに合った商品を選んでくださいね。

ちなみにJ塾長の場合、ETFは投資信託ではなく、株式として考えることが多いです。

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