債務超過の猶予は4ヵ月!ワイズテーブル上場廃止の現実味?

債務超過

株主優待株で人気の「ワイズテーブルコーポレーション(2798)」が、コロナ禍で債務超過に陥ったのが2021年でした。

ワイズテーブルはXEXやサルバトーレなどのイタリアンリストランテを展開する人気企業だよね。
父ちゃんも昔200株を保有していたでしょ!

昔は夫婦で100株づつ持っていて、毎年2万円の優待券で食事していたよ。
ワイズのレストランは質が高くて個人的にも好きな会社だね。

しかし、コロナ禍で主力のXEXでのパーティや婚礼が激減、経営は悪化し債務超過の状況が続いています。

ワイズテーブルの債務超過については「ワイズテーブル(2798)上場廃止の猶予期間入りと債務超過」のブログも見てください。

 

本日のブログは債務超過で上場廃止が目前となった「ワイズテーブルコーポレーション(2798)」の現状を探ってみます。

 

 

上場廃止の猶予はあと4ヵ月…債務超過は解消ならず

ワイズテーブルコーポレーション(2798)」(以下ワイズ)が2022年10月14日に2023年2月期第2四半期累計決算(2Q)を発表しました。

  • 売上   :  45.4億円(前年同期35.8億円)
  • 経常利益 :  5,800万円(前年同期▲4,800万円)
  • 純利益  :  1,600万円(前年同期▲5,100万円)

 

なんとか黒字になった感じだよね。
これで来年2月までに債務超過が解消できる見通しが立ったのかな?

2Qではなんとか黒字転換できたけど、3Q以降は業績が厳しくなる見通しを立てているようです。
思いのほか客足が戻らない様子で、2Q決算時に従来予想から下方修正してきました。

それでは下方修正された今期の業績予想を見てみましょう。

 

  • 売上   :  99.7億円(前回予想109.2億円)
  • 経常利益 :  1.4億円(前回予想5.2億円)
  • 純利益  :  9,900万円(前回予想5.1億円)

えー純利益が5.1億円から1/5の1億円弱に下がったの?
これは流石にやばくない?

今回の業績予想の下方修正は2Qの状況だけでなく、最新の営業成績を加味して修正しているので、9月以降も業績は芳しくないことが分かります。

 

ワイズテーブルの債務超過は8,200万円程度

ワイズのホームページを見ると、2Q時点の債務超過は8,200万円と記載されており、1Qの1.9億円よりは改善されています。

2021年2月は9.7億円の債務超過だったから、なんとか1億円を切るところまで回復してきたようだね。

コロナ禍で上場廃止の要件が緩和されたことで、ワイズも上場を維持しているけど、本来であればとっくに上場廃止になっていた内容だよ。
それでもここまで改善されたのだから、なんとしても2月までに解消してもらいたいよね。

 

今期の業績予想は下方修正されましたが、予想通りの業績を達成できれば、ぎりぎり債務超過は解消できる計算です。

 

しかし、新しいコロナ株の話もでているので、厳しい状況には変わりないと思います。

 

増資は相手が見つからない状況か?

債務超過は利益を上げるほかに資本を増強することでの解消も可能です。

増資をして総資産を増やすんだね。

債務超過以上の増資ができれば債務超過は解消できるけど、増資を引き受けてくれる相手を探さないといけない。
またワイズが発表した最新の「債務超過解消に向けた計画の進捗状況について」をみると、第3者割当による増資も検討しているみたいだけど、現状での実現はなかなか難しいと思うよ。

増資により債務超過を解消させるには、出資者を見つける必要がありますが、条件等もありなかなか難しい印象を受けています。

増資を引き受ける会社が見つかれば良いのですが…またコロワイドかな?(笑)

 

株主優待の人気で株価を維持している状況

ワイズチャート
参照:Yahoo!ファイナンス

この状況のなかでもワイズの株価は1株1,890円水準と高値であり、大幅な下落は起こしていません。

普通だったら200円~300円程度に下落しても良いよね?

ワイズは人気の株主優待があるから、比較的値下がりはしにくい銘柄だよ。
反対に株主優待を廃止したら、いきなり200円程度まで下落するだろうね。

ワイズの株主優待は一律100株以上保有で、年間1万円(5,000円×2回)の食事券がもらえ、現在の優待利回りは5.2%程度です。

優待利回りが5%を超えていることから、FIRE(ファイア)投資でも保有している人は少なくありません。

ただし、多くの人が株主優待目当てで投資していることから、2月、8月末の権利落ち日には株価が大きく下落するのも特徴です。

ここで注意したいのはワイズの株価は業績によるものではなく、あくまで株主優待の人気が要因です。

つまり、「タコが足を食っている」状況と言うことを意識しなくてはなりません。

 

ワイズも株主優待制度を廃止することで経営も楽になりますが、それを行うことで株価が1/10にも下がる可能性があることから、銀行対策としてもできない状況だと推測しています。

 

出来高200株の恐怖

そしてもっと怖いのがワイズ株の出来高の少なさです。

出来高って株式市場で1日に取引される株式数だよね。

ワイズの出来高は2022年10月21日の金曜日で、なんと200株しかないんだよ。

実際には21日の9時すぎに100株、13時すぎに100株だけだから、1日に最低単位を2回だけ売買されているんだよ。
また株価も動いてないから、買いたい人も売りたい人も少ない状況なのも分かります。

株式投資ではいざと言う時に株式を売却できる「流動性」が重要ですが、ワイズ株には流動性がなく直ぐに売却できない可能性があると考えます。

 

保有している人は売却の検討を

ワイズのリストランテが好きで応援している人は別として、FIRE(ファイア)投資でワイズ株を持っている人は売却を検討されても良いと思います。

現在のワイズ株は1,890円程度なので、100株で19万円弱です。

少ない金額ではないので、売却できる間に現金化しても良いのではないでしょうか?

現状で配当利回りが5%を超えている銘柄は多数あり、その中には業績も安定している企業が少なくありません。
ワイズの優待利回りも5%程度なので、危険を冒してまで保有する必要性も感じません。
さらに、2023年2月に債務超過が解消されても、業績は落ちていることから大幅な株価上昇も期待できない銘柄です。

企業を応援したいのでなければ、他の銘柄への移行も検討してください。

 

まとめ

ワイズテーブルコーポレーションはお洒落で質の良いイタリアンを提供している会社ですが、コロナ禍で債務超過に陥って解消されていません。

2023年2月の決算で債務超過が解消されないと、上場廃止になり株式価値が失われる可能性があります。

この状況で業績が下方修正を行っており、債務超過の解消もぎりぎりの状況です。

また、株式市場における出来高が大幅に減少しており、1日の出来高が200株~300株のことも多いようです。

FIRE(ファイア)投資では株式の流通性も重要なポイントであり、上場廃止の危険性や流通性の悪化は投資を継続するには問題だと考えます。

FIRE(ファイア)投資でワイズ株を持っている人は、売却も視野に検討してはいかがでしょうか?

また新たに購入するのは控えた方が良いと判断します。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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