ワンルームマンション投資からの脱出法!今すぐ行動が必要な訳

1R投資から脱出

ワンルームマンション区分投資(1R投資)」について過去2回の記事を書いてきましたが、今回は1R投資に失敗した時にできる「逃げ方(対策)」について考えます。

1R投資のすべてが失敗に終わる訳ではないけど、フルローンを抱えて始める1R投資は失敗が目に見えているよ。
だけど、失敗したことを早期に気づくと、それだけ対策も立てやすいと思うね。

今回の記事は1R投資の失敗に気づいた時に、対策としてどのような選択があるかを考えてみます。

 

1R投資の問題については「ワンルームマンション投資は危険!最低でも注意したい項目」も見てください。

 

ワンルームマンション投資の失敗とは?

投資の失敗には様々なパターンがありますが、1R投資においては「毎月の収益が出ない」ことが最大の失敗になります。

1R投資の失敗ってどんなものがあるの?

やはり毎月の収支が赤字になり、本業からの持ち出しが出ることだよね。

若い投資家の多くは1R投資を行う上で、不動産投資ローンを利用しています。

まともな投資環境であれば毎月の返済は、毎月の賃貸収入で賄えるはずですが、空室がでたり家賃が減額されたりすることで返済に支障が出ます。

また毎月に収支が若干の赤字になる「赤字スキーム」も存在しています。

毎月の家賃収入では返済できないから、本業の給与から補てんして支払うんだね。

本来、投資は生活を豊かにする目的で始めるんだけど、本業からの持ち出しが続くと生活費を圧迫させる要因になるんだよね。
また一度持ち出しが始まると年々補てん額が上がり、1R投資自体が負債に変わってしまう危険性もあるよ。

不動産投資は建物が古くなると、競争力が低下することから、家賃を値下げする傾向にあります。

これは当たり前のことですが、ローンを抱えている人は、家賃が下がっても返済額は変わらないので、家賃の値下げは返済計画を狂わせるきっかけになります。

1R投資は競合が多いことから、新築時の家賃を維持することは困難です。
もちろん人気の一等地などでは、家賃が上昇するケースもありますが、それはごく一部の話だと考えてください。

1R投資の失敗とは「年間の収支が赤字になった」状況であり、さらに「累計赤字が積みあがっている」状況だと考えます。

年間の収支においては節税効果を主張する人もいますが、節税効果なんて一時凌ぎで当てにはなりません。

毎月の収支が赤字で累計赤字が積みあがっていれば、もう取り戻すことは不可能なので「投資の失敗」と認識して「1R投資から逃げる(撤退)方法」を考えましょう。

 

なるべき早く決断するのが大切

J塾長のところにも1R投資で失敗した人が相談に来ることがありますが、いつも失敗の判断が遅いように感じています。

まだ大丈夫だとか…累計はたいしたことないよ…とか。
それなら相談に来なくても良いのに?

1Rマンションを1,800万円で購入した人が、3年間で累計70万円以上の持ち出しをしているのに、何ら対策を考えていない人もいます。

これを放置すると持ち出しはどんどんと増加して、ローン返済が終わるころには累計700万円~1,000万円以上の持ち出しになっているでしょう。

毎月、少額の持ち出しなので大きな負担だと感じていないのですが、不動産が古くなるにつれ持ち出し額は上昇し、生活費を圧迫することになります。
甘く考えないことが大切ですね。

 

ワンルームマンション投資から逃げる方法

1R投資は失敗しても逃げ出すことが簡単にはできません。

株式投資なら損失が出たら売却すればいいよね。

そうだね。
株式なら損失が出ても反対売買すれば、それ以上の損失は生まれません。
しかし、不動産投資では不動産を売却しなくてはならないので、簡単に終わらせることができません。
また、売却できたとしても、多くの負債が残る可能性があります。

1R投資を終わらせるには不動産を売却しなくてはなりませんが、ローンを利用している人は金融機関の了承が必要です。

不動産には金融機関の抵当権が設定されているから、勝手に売却できないんだよね。

まずはローンを利用している金融機関に相談する必要があります。
その上で売却の意思と想定価格、さらに残債返済プランを提示します。

 

ローンの残債は分割返済で支払う

1R投資において不動産を売却することで、ローン残高がなくなるのはとてもレアなケースです。

不動産価格の上昇から売却価格がローン残高よりも高くなることはありますが、そもそもそのような優良案件では投資は失敗していません。

たいていのケースで不動産を売却してローン返済を行っても、数百万円規模の残債が残るでしょう。
そうなると金融機関としては、残債の返済計画を求めます。

たとえば不動産の売却代金を全てローン返済に回して、さらに300万円の残高が残ったとします。

金融機関は300万円の返済計画が合意しない限り抵当権の解除は行わず、売却できない状況になります。

金融機関と返済計画の合意をするには何が必要なの?

たとえば公務員や一流企業の会社員であれば、新たな保証人を付けることなどでスムーズに返済計画が承認されるかもしれません。
しかし、属性が弱い人には、親族の不動産などの担保が要求されることもあります。

J塾長に相談に来た人も、新たな担保を要求されていました。

このように1R投資の失敗で不動産を売却するには、抵当権の解除が必要で、そのためには残債返済計画を金融機関と合意する必要があります。

保証人もなく、新しい担保も出せない人は抵当権の解除ができず、このまま持ち出しで1R投資を続けるしか方法がなくなります。

 

数百万円なら親族から借りても返済した方がいい?

売却時に金融機関が抵当権の解除をしない理由は、残債の返済計画が合意しないことが要因です。

たしかに投資に失敗した人に無担保、無保証で数百万円のお金を貸すのはヤバイと思うよね。
さすがに…

でもここで売却を諦めて1R投資を続けると、最終的に残債の数倍の損失が出ることになります。

だからJ塾長は残債分を親や親族から借りてでも1R投資から撤退するべきだと思うよ。

現実的には親、兄弟などの親族からお金を借りるのは難しいかもしれませんが、売却を諦めることで損失額は大きく膨らみます。

つまり、ここで言いたいのは「売却は簡単に諦めない」ことです。

 

自己破産は最終手段なのか?

女性弁護士

1R投資も持ち出しが多く、日常生活で支障が出る場合、最終的には「自己破産」を選択できます。

自己破産は債務整理の一種類で裁判所から「破産宣告」、「免責決定」を受けることで、全ての債務が免除される制度です。(税金など一部は免除不可)

自己破産の決定から免責決定を受けることで、債務がなくなるからローン残債もなくなるよ。
不動産はどうなるの?

破産法では抵当権は別除権なので、抵当権を設定している金融機関が競売により売するよ。
そして残債については破産(免責)により請求できなくなります。

1R投資の失敗で自己破産を選択」することに対して、さまざまな意見があります。

J塾長的には無理して親族に借入れしたり、分割返済でさらに数年間も苦労したりするくらいなら、自己破産も検討した方が良いと考えています。

不動産トラブル系のサイトでは「なるべく自己破産は避けて任意売却を」とアピールしていますが、これは売却物件を募集しているだけに見えますね。
業者としては売却したい物件を多く集めた方が手数料を稼げるので、自己破産ではなく任意整理を勧めているのではないかな?

 

昭和のイメージの自己破産をアピールしている

最近、ネット動画で自己破産についての解説を不動産会社がしていましたが、これを見ると「いつの時代の破産だよ」と唸ってしまう内容でした。

この動画では自己破産をすると楽しい生活が送れなくなるようで、例として「クレジットカード」、「就職」、「新たな借入れ」などを上げていました。

自己破産すると人生が終わるみたいに話していたよ。

たしかに自己破産をすると一定期間、信用情報機関に登録されるので、7年~10年間はクレジットカードは作成できません。
これを凄いマイナスと不動産会社は述べていましたが、現在はスマホ決済がメインであり、デビットカードもあります。
デビットカードもVISA、Mastercardブランドで、クレジットカードと変わらない利用が可能です。

また自己破産は1回のみ官報に乗るだけでこれを見る人なんていないでしょう。
これで人間関係が崩れますかぁ?

さらに新たな借入れですが、1R投資に失敗してさらに借金したい人っていますか?
たしかに住宅ローンの借入れができなくなりますが、これもクレジットカードと同じ7年~10年程度の話です。
自己破産しなくても残債の返済で10年程度はかかるので、その期間の住宅購入は難しいと思うのですが。

J塾長的には自己破産にはデメリットがありますが、借金が免除されるメリットと比べると微々たるものだと思います。

自己破産を勧めることはありませんが、デメリットを強調して検討から外すのは間違っています。
1R投資に騙されて、債務整理まで騙されないようにしてください。

 

まとめ

1R投資の失敗とは毎月の収支が赤字でローン返済に本業からの持ち出しが必要な状況で、早期に対策を講じないと累計の損失が膨らむ状況です。

1R投資の失敗を認識したら修正ではなく、投資からの撤退を考えることが大切です。

決断が遅れるほど累計赤字が膨らみ、損失が拡大します。

1R投資家らの撤退は不動産を売却することですが、大部分のケースで売却してもローン残債が残ります。

その金額はまちまちですが、数百万円~数千万円規模になることもあります。

ローン残債は原則一括で返済しなくてはなりませんが、難しい場合は分割で支払うことも可能です。
ただし、新しい保証人や担保を求められる可能性があります。
残債の返済計画の合意を金融機関とできない場合は、抵当権の解除ができず不動産の売却ができません。

1R投資からの撤退を決めても売却ができないと、そのまま持ち出しで1R投資を続けるしか方法はなくなります。

このような状況では自己破産も検討した方が良いでしょう。

1R投資で失敗すると思ったよりも大きなダメージを受けるので、失敗を感じたらなるべく早い行動を起こすのが大切です。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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