世界の景気後退で考える分散投資、コモディティETFはどう?

分散投資先

2023年が始まりましたが、今年は世界経済にとって厳しい年になるかもしれません。

IMF(国際通貨基金)の予想を見ると、2023年の世界経済成長率は、2022年の「3.2%成長」から「2.7%成長」へ減速しています。

IMFの予想では昨年よりも0.5%経済成長率が鈍化するとしているんだね?

IMFは25%の確率で世界経済成長率が2.0%以下になると予想しているようだ。
さらに10%~15%の確率で1.0%以下になるとも考えていますね。

つまり2023年の経済成長率は表向き2.7%の成長だけど、10%~25%の確率で1.0%~2.0%になると予測しているんだよ。

このように厳しい経済成長が予測された2023年ですが、始まってしまったのであれば仕方がありません。

FIREを実践するJ塾長としても上手な投資を行い、厳しい時代を乗り越えることを優先的に考えたいと思います。

今回の内容は厳しい経済局面における分散投資として、「商品(コモディティ)ETF」を考えます。

 

2023年の基本的な投資方針については「2023年初春の投資はどうなる?株価の動きと注目した銘柄」も見てください。

 

景気と連動しないコモディティ銘柄

「コモディティ」とは「商品」のことで、一般的に金、プラチナなどの金属、原油などのエネルギーを指すことが多いようです。

また今回注目したい「小麦、トウモロコシ、大豆」などの農産物もコモディティに含まれています。

一般的に景気後退局面に入ると株価は下落することが多いのですが、コモディティはあくまで商品価格なので一律に下落することはありません。

その意味ではコモディティ投資は景気に左右されない投資と言われています。

景気が後退しているのに何で下がらないの?

コモディティはあくまで商品自体に価値があるので、商品の需要が高ければ価格が下がることはありません。
株価のように景気後退だからと、追随して下落することがないのですね。
その意味では分散投資としてコモディティを組み入れることで、株式市場の暴落時にはリスクヘッジの役割を果たします。

 

コモディティはETFで買うのが簡単

コモディティ投資でメジャーなのは「商品先物取引」等ですが、これは投資初心者には難しいのでお勧めできません。

先物取引はハイリスク・ハイリターンのイメージがあるから…初心者は控えた方が良いかも?

そこでJ塾長がお勧めしたいのが「コモディティETF」です。
実は東証ではコモディティETFが複数上場されており、簡単に購入することができます。

東証には金、銀、プラチナ、パラジウムなどの金属や、原油などのETFが上場されていますが、小麦やトウモロコシ、大豆等の農産物ETFもあります。

東証に上場している農産物のコモディティETFを見てみましょう。

 

1687アグリETFWisdomTree農産物上場投資信託
1688穀物ETFWisdomTree穀物上場投資信託
1695小麦ETFWisdomTree小麦上場投資信託
1696コーンETFWisdomTreeとうもろこし上場投資信託
1697大豆ETFWisdomTree大豆上場投資信託

東証には農産物系のコモディティETFが5種類上場しているのだね。
知らなかったよ。

このなかでJ塾長が注目しているのは「1687:アグリETF」です。

 

アグリETFは総合商品指数に連動するETF

1687:アグリETF」は、「コモディティ投資のベンチマークとして利用されている「Bloomberg Agriculture Subindex」との連動を目指すETF(上場投資信託)」です。

いわゆるインデックス型ETFだよね。

そうだね。
「Bloomberg Agriculture Subindex」は大豆、トウモロコシ、大豆粕、大豆油、小麦などの農産物価格を総合的にインデックス化した指数だよ。
アグリETFはそれに連動することを目的にしているETFだから、アグリETFに投資することで大豆やトウモロコシ、小麦などのコモディティに幅広く投資できるんだよ。

 

2023年はアグリETFで分散投資を考える

アグリETFチャート

「1687:アグリETF(WisdomTree農産物上場投資信託)」のチャートを見てみると、2020年10月を底に上昇しており、現在の価格は893円水準です。

2020年には400円水準だったから、2年間で2倍に上昇した形だね。

農産物はコロナの影響よりも過剰生産の方が深刻でしたが、世界的な生産調整の結果、価格が上昇しています。
その意味では世界情勢には関係なく、独自の動きをしていると考えられますね。

世界経済の後退が迫っているなかで、資産の一部をコモディティへ投資することは大切なことかもしれません。

しかし、普段から商品取引を行っていない人にとってはハードルが高いので、このようなETFを購入することも検討されたはいかがでしょうか?

 

  • 名称:WisdomTree農産物上場投資信託(アグリETF)
  • 連動指数:Bloomberg Agriculture Subindex
  • 分配金:なし
  • 売買単位:10口単位
  • 信託報酬:0.49%
  • 指数組み入れ銘柄:大豆20.39%、トウモロコシ19.46%、大豆数粕11.70%、大豆油11.56%、小麦8.70%等

 

アグリETFには分配金はなく、出来高も多くないのが気になるポイントです。
また東証に上昇していますが、外国籍ETFなので、購入するには外国証券取引口座の開設が必要な場合がありますが、特定口座扱いなので税制優遇されています。

ETF価格の上昇を期待する投資なので、FIREの目的は合わない可能性もありますが、資産のリスク分散先として検討して下さいね。

 

まとめ

世界経済の後退危機が本格化するなか、資産の一部をコモディティ投資に分散することもリスクヘッジに役立ちます。

コモディティで有名なのは金、プラチナ、原油などですが、最近注目されているのが農産品です。

コモディティは先物取引が一般的ですが、東証にはコモディティETFも数多く上昇しており、なかには農産物ETFも含まれています。

1687:WisdomTree農産物上場投資信託(アグリETF)」は、特定農産物ではなく大豆、トウモロコシ、小麦など総合的な農産物価格指数である「Bloomberg Agriculture Subindex」との連動を目指したETFです。

アグリETFを購入するだけで複数の農産物に投資できます。

コモディティは景気後退時でも影響は少なく、独自の値動きをするのでリスク分散にはふさわしい投資だと思います。

分配金がないのが気になりますが、2023年の分散投資として考えても良いと思います。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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