住信SBIネット銀行が1年遅れでIPO!楽天Gへの影響は?

昨年予定されていたIPOのなかには、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で中止になったものがあります。
世界経済の冷え込みを理由にIPOを見送ったんだね。
SBIグループの「住信SBIネット銀行」や「楽天銀行」などは、注目されていたにも関わらず中止になった大型IPOでした。
未だにウクライナ紛争は終結していませんが、先日「住信SBIネット銀行」の再IPOが発表されました。
本来であれば昨年3月にIPOの予定でしたが、1年遅れで新規上場する形です。
本日の話題は2023年3月29日にIPO(新規上場)する「住信SBIネット銀行」について紹介します。
2022年春のIPO中止については「住信SBIネット銀行のIPOが中止に!理由はウクライナ情勢」を見てください。
2023年3月29日に上場決定
インターネットバンク大手の「住信SBIネット銀行」が、2023年3月29日に東京証券取引所へ新規上場すると発表されました。
ちょうど1年遅れでIPOするんだね。
今回発表された住信SBIネット銀行のIPOの条件を見てみましょう。
- 上場市場 : 東証スタンダード
- 公募株数 : なし
- 売出株数 : 41,468,400株
- オーバーアロットメント : 6,220,200株
- 時価総額 : 1,900億円
- 売出価格(想定価格) : 1,260円
- ブックビルディング : 2023年3月14日~17日
- 売出価格決定 : 2023年3月20日
- 上場日 : 2023年3月29日
今回のIPOでは売出株数が4,146万株、さらにオーバーアロットメントとして622万株が売り出される予定です。
オーバーアロットメントとは「募集予定株数を超える需要があった時に、大株主等が保有する株式をIPOと同じ条件で追加的に販売すること」だよ。
つまり人気があったら、大株主保有の株式を一定数販売すると言うことだね。
昨年のIPO計画よりも弱気な内容?

昨年、住信SBIネット銀行のIPOが中止されたのは、「社会経済の悪化によるIPO需要の低下」を懸念したことが理由です。
せっかくIPOするんだから高い価格を付けたいからね。
IPOする時期が悪いと判断したんだよ。
これは楽天銀行のIPO延期も同じ理由だと思う。
最近は米国の利上げも一段落し、世界経済も安定していると判断されたことから、再度のIPOとなった模様です。
しかし、今回のIPOの条件等を見ると、昨年の計画よりも弱気な内容になっているのが気になります。
これはいったいどうしたことでしょう?
昨年のIPO条件と今回の条件を比較すると、3つの点に違いが見られます。
- 上場する市場が「プライム市場」から「スタンダード市場」へ変更
- 売出株数の減少
- 想定価格の減少
昨年のIPOは「東証プライム市場」でしたが、今回は「東証スタンダード市場」へ格下げになっています。
昨年は東証プライム市場の上場要件が満たされていたかど、今年は満たされなかったのが原因だと思います。
また売出株数の減少や想定価格の減少も、市場の格下げによる需要の低下が要因ではないでしょうか?
つまり、昨年よりも人気がなくなった…と。
たしかにIPOの話題も少ないような感じだね。
昨年IPOを発表したときは、それなりに話題になりましたが、今回はそこまでの盛り上がりを感じません。
ネットを見ても話題になっておらず、ニュースでも多くは取り上げられていないようです。
それでもスタンダード市場としては大型IPO
販売時の想定価格を1,260円とした場合、IPOによる売出し総額600億円規模になります。
この規模のIPOは東証スタンダード市場としては、稀に見る大型案件であり消化不良を起こす可能性が指摘されます。
つまり、売れ残りが出る可能性があると?
そこまでは…
でも初値が伸びないかもしれないね。
ただし、昨年よりも販売株数を減らし売出価格も下げているので、そこそこ健闘する可能性もありますね。
ブックビルディングは3月14日から
住信SBIネット銀行のブックビルディングは2023年3月14日~3月17日までです。
売出価格の決定は3月20日だから、抽選日も20日だよ。
IPOの主幹事は野村證券、SBI証券、大和証券…なので、購入希望者は早めに目論見書を読んで申込みの判断をおこなってください。
SBIグループのSBI証券が当たりやすいかな?
スタンダード市場としては発行株数が多いから、当選確率は高いと思うよ。
楽天銀行のIPOにも影響が出るか?
住信SBIネット銀行のIPOを最も注目しているのが、「楽天グループ」だと思います。
楽天銀グループは楽天モバイルの設備投資により赤字が拡大しており、楽天銀行、楽天証券のIPOを是が非でも成功させて資金調達をはかりたいと考えているでしょう。
楽天としては住信SBIネット銀行のIPOが盛り上がって、その流れで楽天銀行をIPOさせたい狙いがあります。
しかし、今回のIPOが失敗すると楽天銀行のIPOにも悪影響が出るかもしれません。
住信SBIネット銀行のIPOが失敗する(初値が伸びない)と、楽天銀行のIPOでも販売価格を下げなくてはなりません。
ネット上には「楽天グループの資金調達が難しくなっている」との報道もあり、楽天銀行、楽天証券のIPOは楽天グループにとって一大イベントです。
しかし、住信SBIネット銀行のIPOしだいで、楽天グループの資金計画にも影響が出るのではないでしょうか?
楽天の関係者が住信SBIネット銀行株を買うかもね?
まとめ
1年遅れで住信SBIネット銀行のIPOが発表されましたが、昨年よりもスケールダウンした内容でした。
市場もプライムからスタンダード、売出し株数も少なくなっています。
やはり需要悪化を気にしているようですね。
1年遅らせたのが正解なのかは分かりませんが、プライム市場からスタンダード市場への変更がどのような影響をもたらすが注目です。
また、住信SBIネット銀行のIPOは楽天銀行や楽天証券のIPOにも影響を与えると思うので、J塾長も注目しています。
毎回抽選に当たらないJ塾長ですが、とりあえずSBI証券で申込をしてみますね。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。