【リラ安が止まらない!】トルコ・リラ建て債券は危険水準に

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先日、驚異の利回りを誇る債権として「【3.7倍で償還】トルコ・リラ建ゼロクーポン社債は安全か?」をブログで紹介しました。

このブログではゼロクーポン債の仕組みや、トルコ・リラの現状などを説明し、その上でこの債券の問題点なども考えました。

購入価格の3.7倍で償還されても、手数料や為替によっては損失がでることもあると言ってたね。

そのブログをアップしたのが10月16日ですが、数日後の10月22日にロイターからトルコの金融政策についての記事が公開されました。
そしてトルコ・リラの価格も変動しています。

本日のブログはトルコ・リラの現状の動きとトルコ・リラ建て債券投資について考えます。

 

 

トルコ中央銀行が政策金利2.0%下げを決定

ロイターの報道ではトルコの中央銀行が再作会合を開き、政策金利(1週間物)の金利を18.00%から16.00%へ2%下げることを決定しました。

トルコ経済はインフレの加速に悩まされており、9月の消費者物価(CPI)は、前年比で19.6%上昇しています。

19.6%って…
つまり昨年1,000円で変えたわんわんガムが、今年は1,196円になっているってこと?

そうですね。
電気、ガスなどの公共料金を含めたコア物価も17%程度上昇しているので、高インフレ経済だと思いますね。

この状況下でインフレ抑制策として政策金利を19%としていましたが、これを18%に下げさらに今回の報道では16%に下げています。

(「トルコ中銀、2%利下げ 予想より大幅 リラ最安値」ロイター)

トルコ・リラ安が止まらない

この決定で為替も大きく動き、トルコ・リラは大幅安となっています。

10月22日のトルコ・リラ/円は、1トルコ・リラあたり12.384円でした。
しかし、23日には安値で11.770円まで下げています。

10月16日アップしたブログではトルコ・リラ建債券の為替が1トルコ・リラが12.52円でしたが、数日で6%も下落したことになります。(注:為替手数料を考えるとさらに下落している)

じゃ10月16日に債権を買った人は、数日で6%以上も値下がりしたってこと?

債券は額面価格が償還されることから安全資産と見らえていますが、外貨建ての債券は為替の影響が強いので安全資産ではなく、株式と同様のリスクのある商品です。

つまり…利率が良さには理由があるのですよ。

 

エルドアン大統領亜は利下げ大好き

世界中の中央銀行がコロナ対策の影響によるインフレを警戒し、利上げのタイミングを計っていますが、トルコのエルドアン大統領は利下げをを行うことで、経済を活性化させる方針をとっています。

インフレ率が17%にもなっているのに…利下げで活性化なんて。

これ以上インフレが加速するとかなりやばい状況なので、トルコのなかにも利下げ反対派がいますが、エルドアン大統領に更迭されたみたいです。

大統領は利下げで経済を回して、インフレを打ち破るみたいな信念があるようです。

 

これからの状況

このままの状況が続くとトルコ・リラ安がますます加速し、1トルコ・リラが10円以下になる可能性があります。

つまりトルコ・リラ建債券を持っている人は、大きな損失を覚悟しなくてはならないんだね。

そうです。
また新たにトルコ・リラ建の金融商品を購入することは、しばらく止めた方が無難です。
もちろん債券だけでなくな、投資信託なども控えた方が良いでしょう。

大統領が変わらない限り金融政策が大きく変わることはないと考えられることから、トルコ系の投資については慎重な判断が必要です。

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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