おとり広告のスシロー、顧客を馬鹿する対応で純利益が1/3に

おとり広告

人気回転すしの「あきんどスシロー」が引き起こした「おとり広告」事件は消費者庁から措置命令が出される事態になっています。

たしかウニとかカニの在庫が全くないにも関わらず、キャンペーン広告を続けて顧客を集めた話だよね。

なかにはキャンペーンの開始直後から、在庫がない店もあり、おとり広告と消費者庁から認定されたんだ。
日本人はおとなしいから、在庫切れになっていたら「仕方がないね」と思うから、そこを利用した悪質な手口だよ。

一般的におとり広告による集客は少なくなく、バーゲンでも目玉商品が少なかったり、くじ引きに当たりがなかったりする手法は、昔から「詐欺的商法」として存在します。

しかし、スシローの運営会社は上場企業の「FOOD&LIFE COMPANIES(3563)」です。

 

上場企業は消費者だけでなく投資家に対しても責任ある立場、このような商法がまかり通るはずもなく、先日発表した2022年9月期第3四半期(3Q)の決算では大きく業績を悪化せています。

 

本日のブログはスシローのおとり広告問題の影響で、業績予想を大幅に下方修正した親会社の「FOOD&LIFE COMPANIES(3563)」について紹介します。

スシローのおとり広告については過去ずブログ「おとり広告がバレたスシロー、人気優待株はどうなる?

 

おとり広告は1回では終わらなかった2回目は「おとり生ビール」

スシローでウニやカニのおとり広告が話題になったのは、2022年6月中旬ごろです。

キャンペーン広告で「豪華カニづくし」、「濃厚うに包み」なんて、大々的に広告していたけど、実際には初日から販売していない店舗もあったんだよね。
販売していた店舗もすぐに品切れになって、キャンペーン広告をばんばんやっているにも関わらず、販売実績が少くなかったんだ。

餌だよこれは…疑似餌だよ…まったく。

でもね実はこれでスシローの「おとり作戦」は終わらなかったんだ。

第二作戦として「おとり生ビール」が発動したんだよね。

おとり広告が話題になって約1ヶ月後の7月中旬には、生ビールの半額キャンペーンのおとり広告が発覚します。

おとり生ビールの手口を見てみましょう。

店舗内に貼ってあるポスターには「生ビール半額」と記載されており、キャンペーンの開始日は記載されておらず終了日のみが記載されていました。

まぁよくある告知のポスターだよね。
生ビールが半額だから、お酒が好きな人にとっては嬉しいキャンペーンだよ。
1杯の料金で2敗飲めるから。

しかし、この広告も実際にはおとりだったらしく、食事の後の会計では「キャンペーンは始まっていない」、「半額にはならない」と言われ、正規のビール代金を請求されたそうです。

えっ、
店内のポスターに生ビール半額って書いてあって、しかも開始日の記載はなく、終了日だけ記載されているって言ってたよね。
それじゃ今やっていると思うのが当たり前だよ。
これじゃ詐欺と同じじゃないのwww。

1ヵ月前にカニ、ウニ問題があったにも関わらず、間を置かずおとり生ビール問題が出るところが驚きですが、さらにこれに対する対策も顧客の怒りを買いました。

スシローが非を認めて返金対応するのは当たり前として、その条件として「レシートの提示」が必要であったことが顧客の怒りをさらに集めてしまったんだよ。

回転すしのレシートって…大切に持っている人っているのかな?
そりゃ怒るよね。

SNSで怒りが集中したことで、スシローはレジのデータを確認することでも返金対応すると発表しましたが、何やっても後手後手で信用を無くす結果になったよ。

スシローの6月、7月は今までの信用と人気を失う厳しい月になったようです。

そして注目の「FOOD&LIFE COMPANIES(3563)」の2022年9月期第3四半期決算(3Q)が発表されました。

 

FOOD&LIFE COMPANIESの3Q決算は大きな減益に

FOOD&LIFE COMPANIESの業績はスシローのおとり広告問題が原因で、大幅な減益を見せる結果となりました。

 

2022年9月期第3四半期(2021年10月~2022年6月)

  • 売上    :  2,119億円(前期比18.5%増)
  • 経常利益  :  101億円(前期比41.2%減)
  • 純利益   :  52億円(前期比51%減)

 

スシローは度重なる失態から既存店舗の6月度の売上が、対売上比で100%を割る状況に低迷しています。

つまりスシロー国内店舗の6月度売上は、昨年6月と比較して減少していることを意味しています。
コロナ明け効果で売り上げが期待できる時期に、おとり広告で信用を失い業績も帳消しになった感じですね。

 

さらに純利益87億の業績予想を1/3に下方修正

FOOD&LIFE COMPANIESの3Qは、おとり広告問題で落ち込みを見せましたが、この影響で通期の業績予想も下方修正する事態に発展しています。

 

  • 売上    :  2,800億円(前回予想2,950億円)
  • 経常利益  :  60億円(前回予想140億円)
  • 純利益   :  30億円(前回予想87億円)

今回の下方修正により売上は9.7%減、経常利益は68.4%減、そして純利益は75.0%減になっており、純利益は当初予想の1/3になっています。

 

おとり広告2連発で純利益が1/3になるなんて…本当に痛い目に合ったようだね。

 

気になる株主優待と配当は維持の方針

株主還元である株主優待と配当については、下方修正にも関わらず維持する方針を公表しました。

 

FOOD&LIFE COMPANIESは人気優待銘柄で、保有株式数により年2回、株主優待券がもらえます。

  • 100株以上  :  年間2,200円
  • 200株以上  :  年間3,300円
  • 400株以上  :  年間4,400円
  • 800株以上  :  年間8,800円
  • 2,000株以上 :  年間22,000円

配当は年間22.5円を据え置く方針なので、現在の株価2,350円で計算すると配当利回りは0.95%です。

優待利回りは100株保有で0.93%なので、総合利回りは1.88%です。

 

配当性向は86%超えに!大丈夫か?

配当が22.5円を据え置く判断は、この業績悪化が市場変化によるものではなく、明らかに運営する社員のミスにより引き起こされたことが要因だと思います。

商品がないにも関わらずキャンペーン広告をばんばん売ったり、品切れが発覚してもキャンペーンを中止しなかったりしたことは、詐欺的な悪意を感じてしまいます。
このキャンペーン担当社員の行為で既存株主に大きな影響を与えたので、配当を下げることができなかったのでしょう。

しかし、下方修正された「1株当たりの当期利益」は、25.92円予想で配当性向は86.8%になります。

配当の原資は26億円を予定しており、株主優待の経費を加えると純利益予想の30億円を超えるかもしれません。
今期利益のほぼ全てを配当と優待に回すのですから、安易なキャンペーンで本当に痛い目に会いましたね。

 

それでも人気優待株は強いと感じる

FOOD&LIFEチャート
参照:Yahoo!ファイナンス

FOOD&LIFE COMPANIESの株価はこの決算を受けて暴落すると思っていましたが、実際には翌日の8月5日の始値は2,211円と年初来安値を更新した後、若干の上昇を見せています。

ここからの動きはまだ分かりませんが、やはり人気優待株は業績が悪化しても株価は強い印象を受けます。

年初来安値を更新したから、割安と判断した個人投資家が買いを入れたと思いますが、J塾長にはできない買い方ですよ。

大丈夫なんだろうか…ねぇ?
日本株の優待株に対する人気は、利回りを考えずに異常な支えになることがあります。
株価が割安ならわかるけど、下方修正した状態では割高ですよ?

チャート的にも2,100円を抜けて下落すると一気に、1,500円~1,600円まで下げる可能性があります。

なんか、8月5日AMの上昇は大口のひっかけの印象を受けますねぇ。
購入を考えている人は慎重に判断して下さい。

FIRE(ファイア)投資としては、正直FOOD&LIFE COMPANIESをおすすめできません。

2022年9月の本決算を確認してから、その時点の株価で投資を判断した方が良いでしょう。
人気優待銘柄ですが、現状では総合利回りも1.88%程度なので、魅力は感じられません。

また年初来安値になっていますが、それでもPER90.28倍、PBR4.08倍、ミックス係数は368.3倍です。

割安株とも言えないのでギャンブル投資以外は、ひとまず静観されてはいかがでしょうか?

 

※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。

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