日医工のマネーゲームが過熱化の様相!初心者は手を出すな
先日、債務超過と上場廃止を発表した「日医工(4541)」ですが、上場廃止を発表しているにも関わらず株価が怪しげな状況になっているようです。
たしか日医工は株式を第三者割当増資を使って譲渡、さらに「スクイーズアウト」で上場廃止する予定だよね。
日医工のスクイーズアウトの話題は下の記事を見てね!
上場廃止を発表している日医工ですが、12月4日の株価は前日より36円高の1株166円の値がついています。
これはいったいどうしたのでしょうか?
今回は日医工の株価が怪しい動きをしている件について考えます。
日医工の1株1の価値は36円
「日医工(4541)」は債務超過による業績不振で、国内投資ファンドの子会社になります。
そこで全株式を国内ファンドに譲渡して上場廃止になりますが、その手法に使われるのが「スクイーズアウト」です。
スクイーズアウトは「少数株主が保有する株式を強制的に買取る方法」だよ。
今回はまず国内ファンドに第三者割当増資を行って、それからスクイーズアウトの決議をするようだね。
日医工において少数株主とは個人投資家のことで、株式市場で購入した個人株主は全てスクイーズアウトで強制的に買取られてしまいます。
スクイーズアウトにかかる費用は約25億円で「1株あたり36円」での買取りになります。
詳しくは「株式投資の怖さ炸裂!日医工の上場廃止とスクイーズアウト」の記事を見てください。
しかし、日医工の株価は12月2日の終値は166円、週明けの月曜日(12/5)でも153円程度の価格でスタートしています。
1株36円でスクイーズアウトされるのに1株150円以上で取引されるなんて…
おかしいいよ。
このように上場廃止が決まった株が一時的に上昇することがあります。
これは機関投資家や一部の個人投資家が「マネーゲーム」と呼ばれる取引を始めていることが原因です。
マネーゲームの仕組みを簡単に紹介しますね。
株式取引におけるマネーゲームについて
一般的な株式取引を「マネーゲームと同じ」と言う人もいますが、J塾長は株式取引はマネーゲームではなく投資だと考えます。
しかし、なかには「業績」や「財務」を無視して、高額での取引を行うこともあり、これは「マネーゲーム化している」と考えて良いでしょう。
株式取引がマネーゲームなのではなく、株式取引のなかで稀にマネーゲームが起こると考えてください。
今回の日医工では、来年初頭に「上場廃止」、「1株36円で買取り」が決定しているので、株価は36円に近づかなくてはなりません。
しかし、説明した通り日医工の株価は、一時的に40円台まで下がりましたが、現在はなんと150円水準を維持しています。
36円価値しかない株式が150円前後で取引されていることから、この状況はまともな取引とは言えずマネーゲーム化しています。
36円の価値しかない株を150円で取引するのだからどうかしているよね?
なぜマネーゲームは起こるの?
一般的に株取引でマネーゲームが起こるきっかけは3つあります。
- 上場廃止の決定
- 上場廃止の恐れの強い整理ポスト入り
- 債務超過などの業績悪化
日医工は「上場廃止の決定」がきっかけでマネーゲーム化していますが、なぜ36円の価値しかない株式が150円で売買できるのでしょうか?
マネーゲームの主体は「人間の欲」
マネーゲームが成り立つ理由は「人間の欲」であり、正しい投資判断として参加しているのは、機関投資家や一部のベテラン個人投資家のみだと思います。
例えば500円の株式が1円高になっても利益は0.2%にしかなりませんが、1円の株式が2円になると利益は100%です。
つまり株価が安い株は1円の値上りで爆発的な利益になることから、一獲千金を狙って取引を続けます。
また株価が下がれば少額で沢山の株式を購入できることから、さらに利益率は高まる仕組みです。
またマネーゲームが始まるとネットの掲示板などに様々な内容が書き込まれ、それもマネーゲームを加熱させる要因です。
日医工のケースでは「メインバンクがスクイーズアウトを認めない」とか、「別のファンドが日医工を助ける」などの書き込みがありました。
さらには「上場を維持して再建できる」などの書き込みもあり、それを見た個人投資家が一獲千金を夢見て買いを入れる構図です。
J塾長の考えは「事実は日医工がプレス発表したこと」なので、それ以外の噂話は信じません。
たしかにギャンブル的な面白さはあると思いますが、大切な資金をギャンブルに投入することはできませんね。
自己責任なのでマネーゲームに参加するのは自由ですが、投資はギャンブルではないので「ギャンブル資金」で参加してください。
機関投資家に食われる個人投資家
マネーゲームでは機関投資家などが株価を操作することがあります。
株価操作は違法だよね。
そうだけど実際に36円の価値しかないものが、150円以上で取引されていることは誰かが株価を操作していると考えるのが普通だよ。
そして上昇のきっかけを作るのが「機関投資家などの大量の買い」です。
今回の日医工のケースでは株価が40円台に下落したところで、一気に100円台まで上昇しています。
これは40円~50円台で大量の買いが入ったのが原因ですが、この動きに個人投資家が連動して買いが集中、12月1日には247円まで上昇しています。
つまり11月24日に50円程度で日医工を買った人は、数日で約5倍になった計算です。
でも、J塾長の想像ではこれは機関投資家による誘導で、「12月1日は247円まで上昇した後、130円まで下落」しました。
つまり機関投資家などのベテラン勢は、株価を誘導して12月1日に247円まで株価を上げたところで、大量の売りを仕掛けて130円まで株価が下がったのが動きだと思いますね。
12月1日までに200円台で日医工株を買った人もいるので、それらの投資家は数日で株価が半減したことになります。
結局、経験の浅い個人投資家は、機関投資家やベテラン投資家の養分になったと思いますね。
なぁなかにはラッキーで利益が出る人もいるようですが、あくまで「今回はラッキーだった」程度で考えた方が良いでしょう。
このように経験が浅い投資がマネーゲームに参加して勝てる見込みは少なく、欲だけが先行して最終的には機関投資家の養分になってしまうかもしれません。
まとめ
日医工は来年の上場廃止を見据えて1株36円での強制買取である「スクイーズアウト」を発表しています。
本来であれば1株36円に下落する株価ですが、150円水準で取引されており、マネーゲームが始まっていると考えて良いでしょう。
マネーゲームはいい加減な情報に踊らされて買いを入れることも多いので、ネットの掲示板などをむやみに信じるは止めましょう。
機関投資家やベテラン投資などの誘導買いが見られますが、騙されずに投資は控えた方が無難です。
上場廃止や整理ポストに入った銘柄に対する投資は、「投資」ではなく「投機」なので自己責任で十分注して参加ししましょう。
※このブログはあくまでJ塾長の感想であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己判断と責任でおこなってください。